1555.2011年8月18日(木) 野田佳彦財務相は日本のトップとして適材か。  

  今朝の朝日社説で野田佳彦・財務相の「A級戦犯は戦争犯罪人ではない」発言がぼろくそである。野田氏は首相を目指す志があるならよく考えるべきだと指摘さ れた。当然であり、良識ある人は野田氏の発言を聞いたら、みながっかりするであろう。こういう軽はずみな人物がわが国の総理大臣になることは不適切である し、わが国にとっても恥ずべきことであると思う。
  今ひとつ野田氏の理屈が分かりにくいのは、刑が終了した時点で、罪は消滅するのが近代法の理念であり、刑を終えたのだから最早犯罪者ではないと主張してい ることである。問われているのは刑を終えたか否かではなく、彼らの行為が戦争犯罪かどうかであり、歴史認識である。野田氏の論理は焦点を外していると朝日 も手厳しく指摘している。
  残念ながら昨年6月に菅内閣で初めて閣僚となって以来、野田氏は財務大臣としてこれという実績を残していないではないか。不景気の最中に適切な財政政策、 及び金融政策を施していない。円高に際しては、いつもながら「市場の動きを注意深く見守りたい」だけの能のない発言で、毎度主役であるべきにも拘わらず傍 観者の立場を貫き金融市場介入はまず行わない。今月に入って一度だけ行った「清水の舞台」的市場介入もまったく効果がなかった。最も急を要する東日本大震 災の財政出動は、政府自体の判断と対応が遅れているが、肝心要の財務省の対応はどうなのか見通しがはっきりしない。この緊急時に国家として資金面の手当て に、増税はある程度止むを得ないというのが国民一般の声であろう。にも拘わらず臨時増税、消費税値上げの気持ちはさらさらなく、復興に必要な費用をどう捻 出するのか一向にデザインが見えない。何を考えているのかまったく分らない。これは財務大臣である野田氏の行動力とリーダーシップに大きな問題があると思 う。
 理念もダメ実務もダメ、加えて軽率な言動で外交に問題を抱えそうな総理大臣では困ると思う。この人もかつては松下政経塾で学んだようだが、最近政経塾OBの地盤沈下が目立つとのレポートがあったばかりだ。この野田佳彦氏の言動は明らかに政治家として地盤沈下を象徴している。
 こういう人物が、日本を代表する総理大臣になることだけは何とかして止めさせたいものである。

2011年8月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com