1556.2011年8月19日(金) NHK「名曲アルバム」35周年に想う。

 昨日は都内の平均気温が36.1℃で今夏最高気温に高温注意報が発せられたほど暑い一日だったが、今日は昨日とは打って変わって肌寒い気候にほっとする。最高気温が30.9℃で最低は23℃だったが、都内にも雷雨が襲い、局地的に大雨が降ったので体感的にはもっと寒い感じがした。それにしても最近の気象の急変には驚かされる。
 さて、35年間に亘って放映されているNHKの隠れた人気番組「名曲アルバム」について、先週特別番組が放映され、番組制作の裏舞台や苦労話を紹介してくれた。
  今日の朝日新聞テレビ欄に早速読者からのコメントが掲載された。改めて録画をゆっくり観てみた。全曲とも1曲5分内に収めることを求められたN響オーケストラの演奏だと聞き、またクラシック曲演奏のアレンジに関する苦労話を興味深く聞いた。
 その読者の投書で一番印象的だったのが、番組ディレクターが演奏曲「スラブ舞曲」と画面のコンビネーションのアイディアは、当時どことなく暗いイメージを醸し出していた東欧圏チェコスロバキア・プラハ市内のガス燈にヒントを得たという話だった。
  1980年1月に埼玉県教員海外派遣団にお供して初めてチェコスロバキアを訪れた折、プラハ市内で見た二つの光景が今で も強く心に残っている。ひとつは、この番組ディレクターが得た番組作りのヒントとまったく同じで、雪の降るプラハ城近くで長い棒を持った老婦人がガス燈に 近寄ってはライトを点燈して歩いていた慕情を募らせるような光景であり、もうひとつは雪が降りしきる旧市街を転びながら歩いていた少女の姿を、一瞬「マッ チ売りの少女」にダブラせたことだった。ふたつのシーンは今も鮮明に脳裏に焼きついている。
  時代 から取り残されたようなガス燈の情景は懐かしい抒情的な詩を想い出させてくれる。胸に迫るような感情を掻きたててくれるような気もする。あの仄かな情景 は、誰にとってもヒントを与えてくれる印象的なシーンだったのだなと今にして思う。ほかの外国の都市でもこのようなメルヘン的な情景を見ることはそうはな いと思う。
  司会者は引き続き放映されているこの「名曲アルバム」をしきりにPRしていたが、家族が揃って観て楽しい番組なのに、放映時間が的外れで総合テレビの朝4:20、Eテレ(NHKらしからぬ低級な略語)でウィークデイ午後1時55分である。本当に観てもらいたいのかどうか本気度を疑う。この辺りが「仏造って魂入れず」で作りっぱなしのNHKらしいところか。
  個人的に残念に思ったのは、ベートーベンの交響曲「第五‘運命’」と「第九‘合唱’」は人気ベストテン入りしたが、最も好きな交響曲・第六番「田園」が名曲ベスト20の中にもリストアップされなかったことだろうか。

2011年8月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com