内外に多事多難とは今の日本の状態だろう。内に大震災からの復興、福島原発事故の処理と対応、そして次の総理になる民主党代表者選出選挙、外には昨日NY外為市場でついに史上最高値の1㌦=75.95円 を記録した円高相場である。これで株式市場休日明けの明後日にはまたもや大幅な株安となろう。更に深刻なのはここまで円高が昂進すると輸出関連産業の経営 面への打撃であり、日本企業の多くが海外へ出て行かざるを得なくなることである。これで国内産業の空洞化に拍車がかかり、雇用の喪失が起こり、国内の景気 は益々低迷することが心配である。円高要因は、決して日本円の価値が上がったわけではなく、欧米経済に対する不安感から投資資金が一時的に円に流れ込んだ ことが大きい。
大震災、原発事故、円高という日本にとって大試練にぶつかっているこの最中に、情けないことに政治家が一向にこれらに真剣に向き合おうとしない。
こんな非常時に民主党代表選挙をやって政治を停滞させようとしている。次の首相を選出するためにまたまた訳の分らない党利党略、私利私欲の論理で馬鹿な政 治家どもが動き出した。民主党内ではすでに派閥的なグループの暗躍が始まった。大震災による被災者の気持ちなんか二の次なのだ。自分たちの私利私欲で数に よって政治を支配しようと行動している。散々外部から叩かれている「非常識」「無責任」「政治家としての志」「国民の声」なんてまるで彼らの耳には入らな い。
29日 に選挙を行うつもりのようだが、自薦他薦入り乱れた候補者乱立の様相を見せ、名前の挙がっている予定者だけでも7名もいる。昨日目黒区議の須藤甚一郎さん が呆れて送ってきたメールには「民主党の代表選はどいつもこいつも屁のつっかい棒にもならない連中が候補なのですから困ったものです」と手厳しい。でも国 民のほとんどがそう思っているのでないだろうか。
中には実力者・小沢一郎元代表の元へ出馬のためのご挨拶に参上して支持を取り付けようとのパフォーマンスをする輩も、ひとりふたりと現れた。小沢氏はいま 民主党員資格停止処分を受けて謹慎中であるにも拘わらず、彼らは停止処分解除も検討して支持をもらいたがっている。自分たちで作ったルールに基づいて決め た処分も自分らの都合でいかようにも出来ると考えている。これは世間の常識とは大きくかけ離れている。自分たちで決めたルールも簡単に破ろうとする連中に 日本の代表者になる資格があるとは思えない。もうこうなると魑魅魍魎で、何でもありの様相である。ヤクザ社会と変わらないのではないか。
ともかくこんな国民無視の内輪騒ぎを見せ付けて、自分のためだけに徘徊している政治家のバカさ加減にはもううんざりである。
最早代表選が不可避なら、なぜ政策やマニフェストの検証を含めて持論を展開し、正々堂々討論を戦わせ国民を納得させようとしないのか。