1582.2011年9月12日(月) フランスで核施設爆発、放射能漏れは大丈夫か。

 不謹慎な発言で辞任した鉢呂吉雄・経産相の後任は、枝野幸男・前官房長官に決定した。菅政権の下で原発事故に対応していたことが、原子力を担当する大臣として現状では最も適任と見られたようだ。もう軽薄な発言をして政治と震災復興を遅らせるようなことがないよう望みたい。
 さて、今夜は中秋の名月、しかも6年ぶりの満月という静かな夜であるが、フランス・プロヴァンス地方のマルクールで原子力核施設が爆発し、1名が死亡、4名が負傷したとの気になるニュースが入ってきた。現時点では放射能漏れはないと言われている。しかし、こと原子力については専門家の言葉はあまり信用できない。
 それは、福島原発事故に関する事故原因究明のため、衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会が東京電力に提出を求めた、事故発生後の対応マニュアルを東電が中々提出せず、求めに応じて渋々提出した書類12頁のうち、9頁が真っ黒に塗りつぶされていたことでも分る。これでは意味を成さないし、そもそも国会に提出する資料が3/4も使えないようでは、国会を軽視していると受け取られても仕方があるまい。こういう隠蔽体質を許している監督官庁もおかしいのではないだろうか。大体経産省と東電は毎度できレースをやっている。どうも東電には隠蔽体質があるらしく、都合の悪い事実や機密事項は公にしない。これに同調する原子力専門の御用学者らにも責任がある。自分たちのチョンボで犯した事故を解明しようとすることに対して、頑なに拒もうとする。これでは自分たちは責任から逃れるばかりで、問題は一向に解決しない。
 果たしてマルクールの核施設に放射能漏れは本当にないのか。機密事項を隠したがる原子力専門家もついに隠しきれずに、後になって漏洩はあったということにならなければ良いが・・・・。当分目を離せないし、気を許すわけにはいかない。
 フランスの原子力政策というのは、徹底している。福島事故発生の際にも、断固として自分たちの安全な原発政策を推し進めるとの固い姿勢を崩すことはない。しかし、万が一マルクールで放射能漏れが発生したら、フランス政府はどういう対応を取るだろうか。事故があっては困るが、揺ぎないフランスの原子力安全神話も、絶対ということはあり得ないと思う。気になるところである。

2011年9月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com