1584.2011年9月14日(水) 森喜朗・元総理と電話で小議論

 先日「楽天市場」へインターネット注文していた「冒険ダン吉(2)」(少年倶楽部文庫)が予定より1日遅れで送られてきた。文庫サイズでちょっと本物臭くないが素朴な絵で、内容もダン吉が南の島の王様になったという単純な設定は、今どきよくある陰惨とか、残虐、欺瞞とかいうような暗い内容とかけ離れて、子どもの夢を誘うようなストーリーで微笑ましい絵物語だ。原作者・島田啓三の「あとがき」が面白い。それを読むと作者自身南方の熱帯地方とは密林に猛獣や野鳥どもが横行し、黒い首狩り人種が住む所という先入観があり、動物もアフリカ、インド、南米、ボルネオ産などがゴチャゴチャに登場して回が進むにつれて、ダン吉島の所在がどの辺りなのか自分でも見当がつかなくなってしまったと打ち明けている。オランウータンはスマトラかボルネオに棲む類人猿でゴリラといっしょにするのはヒドイとか、ダン吉の舞台はアフリカらしいが、アフリカにはカンガルーはいないとか、外野からいろいろな声が聞こえてきたという。
 いま取りかかっているトラック島アイザワ大酋長のドキュメントにこのダン吉を登場させている。大酋長が冒険ダン吉のモデルとも言われる森小弁の孫を妻として迎えているからだ。象、カバ、らくだ、ライオンまで登場する「冒険ダン吉」は、作者が言うように小さな南の島ではあるが、通常島にはいない動物ばかり活躍している点でトラック島ということ自体無理があるようだ。作者はダン吉のモデルは実在しないと言っている。いずれにせよ、「冒険ダン吉」はとにかくゆったりと気持ちが落ち着ける絵物語で、今の時代にこそ読む価値があるように思う。
 このドキュメントに関連して昼前に森喜朗元総理から電話をいただいた。事前に長谷川秘書から昨日午前中に森さんから電話をいただけると知らせてもらっていたが、ご多忙でそうも行かなかったようだ。明日日本ラグビー・フットボール協会会長としてニュージーランドで開催中のワールドカップへ出かけ、16日の対オールブラックス戦で日本チームを応援するという。その合間を縫って電話をいただいた。細かい修正要望は配慮したいと考えているが、難しいのは森さんの肩書きの表記である。肩書きに対する思い込みがわれわれ庶民とはちょっと違うように思う。「元総理」「前総理」「元官房副長官」と本ドキュメントでは3通りの表現がある。元官房副長官はかなり昔のことで、時代が分るから私としてもあまり気にすることはないと思っているものの、「元総理」と「前総理」の使い分けが難しい。私は現在ドキュメントを読む人の立場上あまり複雑にしたくないと思い、「元総理」という表現に統一させてほしいとお願いしたところ、森さんは実際に「前総理」として活動した時のことははっきり「前総理」と表記してほしいと譲らない。面倒なことになったと思いながらも、かつての日本国総理大臣と言い争っても仕様がないので、「元総理」のご意見を受け入れて不承不承「元総理」と「前総理」の二刀流でまとめようと思っている。

2011年9月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com