明け方近くになって口の中がちくっと傷んだので、目が覚め指を入れて触ってみたら上の前歯が欠けて、折れた歯の欠片が口内に2つあった。飲み込まなくて良かったと安堵したが、同時に長年連れ添った肉体の一部がまた去ったと思うと辛い気持ちである。今朝になって寂しさよりも、実用的なことが気になりだした。固い食物が食べられなくなるのではないか。77歳の年齢から推して生来の歯がある程度少なくなるのは致し方ない。しかし、これで自分のオリジナル歯は上が1本、下が5本と大分寂しくなった。
30年以上も診てもらっている歯科医に電話したところ、予約が取れない状況だったが、何とか診てもらえることになった。上の歯はもう残り1本となったが、それでもこれまでは抜けた歯の根っこに磁石を埋め込み吸着する方法で支えてやってきた。今日もそのやり方で手当てしてもらった。これまで付着している磁石は、大分吸着力が衰えている。歯科医師の話によると、MRI検査などでそのまま付けたままだと磁力を失うと言われた。毎年受けている人間ドックの際、MRI検査を受けるのでその影響があるのではないか。今年も8月に人間ドック検査を受診するが、その際は入れ歯を外さなければいけない。
今日は思いがけない珍事で、時間も費用も掛かってしまった。
さて、文化庁が全面的に京都へ移転することになった。かねがね地方創生の旗印の下に、東京への一極集中を避けるために中央官庁の地方移転が検討されていたが、文化庁がその第1弾となった。消費者庁も徳島県神山町へ移転を検討中であるが、来月1週間程度施行的に行ったうえで最終的に判断する。
確かに中央官庁が東京に集中し過ぎてすべての権力機構、権威までが中央へ集まっている。官庁同士の横のコミュニケーションという観点からすれば、これほど便利なものはない。だが、人も、その家族も首都圏に集まり交通、住居、教育施設、それに便乗して企業も集中し、その一方で地方は過疎化するばかりである。
文化庁の京都移転の背景には、地方創生のタイミングに合わせて、文化財に最も触れ易い京都が山田啓二知事らの積極的招致運動の結果実現となった。これがきっかけとなって、他の省庁が同じような道筋を辿るようになるだろうか。