昨年10月に行われた国勢調査の結果、1920(大正9)年以来わが国の人口が前年に比して初めて減少した。総人口は1億2千7百万人で、5年前に比べて94万7千人(0.7%)減少した。日本の将来像を考えるとゆるがせに出来ない深刻な問題である。近年少子高齢化社会が進んではいたが、現実にその傾向を数字で示されると認めざるを得ない。高齢者は年々確実に増えているので、いかに新生児が少ないかということが分かる。男女の比率は、戦後男子が戦死などで一挙に減ってから男が少ない。男が6千百万人に対して、女が6千5百万人である。
昨日の本ブログにも書き込んだように、首都圏集中及び地方都市過疎化現象が顕著になってきた。大都市集中と言われながらも今回の調査で特徴がはっきりしてきたのは、6大都市の中でも大阪、神戸、京都圏内が減少し、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の人口が増えている。大都市集中というより、首都圏集中ということである。
この現実を受け止め、人口が密集しつつある首都圏の交通、住宅環境、インフラ整備、災害対策、福祉・教育対策、等々について国と自治体は万全の対策を施してもらいたいものである。
さて、今日はあの2.26事件発生から丁度80年目に当たる。わが国にとって軍国主義の道を突き進んだ過程で勃発した歴史的大事件であり、歴史を捉えると看過してはならないファッショである。然るに、メディアではこの事件の報道を恣意的に抑えている印象がしてならない。そのメディアの対応に不満があり、毎年この日前後に2.26事件とマス・メディアの対応について拙稿の中で鬱憤を晴らしている。
今年も新聞にはまったく記事が見当たらない。テレビでは民放には関連番組がなかったが、流石というか、NHKでは一昨日「歴史秘話ヒストリー」で岡田首相暗殺未遂事件を取り上げた「二.二六事件奇跡の脱出劇」をストーリーにして際どい岡田啓介首相の首相官邸脱出劇をドキュメントとして興味深く描いていた。また、今夕の7時台、9時台のニュースでも史実を大分詳しく報道していた。時の首相が襲われ、高橋是清蔵相、斎藤実内相、渡辺錠太郎教育総監ら、時の有力政治家が暗殺された日本史上でも特筆されるクーデターであるだけに、歴史教育の中でひとつの事象として教えるだけでなく、将来の日本を考えるうえで貴重な資料と捉え、学校教育の中でもしっかり教えるべきであると思う。とにかくこの事件を契機に、大日本帝国は軍国主義の道を駆け抜けて戦争へ突き進んで行った。日本人なら決して忘れてはならない大事件なのである。