1594.2011年9月24日(土) パレスチナ暫定自治政府の国連加盟は実現するか。

 明日姪の結婚式が行われるが、それに出席する二男夫婦が、買い換えたホンダの新車で孫とともに新潟からやってきた。二男は明後日品川の本社へ出張ということなので、ちょうどタイミングが良かった。
 さて、今年の国連総会は野次馬根性から言えば、中々興味津々である。その中でも最も世界中の関心を呼んでいるのは、パレスチナ暫定自治政府の国連加盟申請である。23日パレスチナ政府を代表するアッバス議長が潘基文・国連事務総長に申請書を提出した。
 早々にニューヨーク入りしたアッバス議長に対して、オバマ大統領が申請をしないよう懸命に説得していたが、功を奏しなかった。アメリカがパレスチナの加盟を阻止するためには、常任理事国に認められている拒否権を行使することが一番手っ取り早い。しかし、いま中東問題が世界の注目を集め、国連加盟を認めるべきとの国際世論が高まっている中で、アメリカが反対票を投じることは国際的に反米感情を高め、同時に中東和平の解決を遅らせることになる。アメリカ政府がパレスチナ政府を加盟させるようなことにでもなれば、アメリカ国内で強い勢力を形成しオピニオン・リーダーでもあるユダヤ人が、オバマ現政権を許さないだろうとも言われている。来年の大統領選でのオバマ民主党の勝利も疑問符がつくだろうと推測されている。何とかしてパレスチナの加盟を阻止するための、第1の手立てがダメになった。次の手段として考えられるのは、加盟には安全保障理事会で加盟勧告を得ることが必要である。ならば、安保理事会で加盟勧告を得られないようにすればよい。安保理事国は15カ国(5常任理事国=アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国と10非常任理事国=ガボン、ナイジェリア、ブラジル、ボスニア・ヘルツェゴビナ、レバノン、インド、コロンビア、ドイツ、ポルトガル、南ア)だが、このうち9カ国以上の賛成が求められるから、アメリカ政府はこれら15カ国のうち7カ国以上の反対票を取り付ければよい。今後理事国へ個別交渉で猛烈にアプローチするのではないか。幸か不幸か日本は非常任理事国から外れたので、アメリカからの説得を受けることがなくなり、外務省首脳はほっとしているのではないだろうか。
 それにしてもアメリカはあまり得な役回りではない。世界の世論を敵に回してまでも、イスラエルの肩を持たなければならない。アメリカ社会は構造上かなりユダヤ人に支えられた形になっているからだ。どうしてもユダヤ人の顔色を見ながら、アメリカ社会をリードして、世界一の力を見せ付けなければならない立場にある。
 表舞台から隠れたところで国益を賭して、虚虚実実の駆け引きと戦いが行われている。当分続くことになる。果たして結果はどう出るか。

2011年9月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com