海外から2つの大きなニュースが入って来た。ひとつはアメリカとロシアが合意して提案したシリア内戦が今日午前0時(日本時間午前7時)に一時停止されたことである。この一時停戦はシリア政府と対抗する反体制派の間で合意に達したものである。確かにシリア内戦はアサド大統領のシリア政府とこれに対抗する反体制派の戦いがその始まりであり、この両者が合意すれば、内戦終結の期待が持てる。ところが、内戦勃発後次第に外部勢力が介入するようになって事態は複雑になった。中でもISと言われる「イスラム国」を始め、アルカィーダのような過激派組織が介入するようになって、敵味方の区別さえつかなくなった。今日の一時停戦も、シリア政府と反体制派との間で約束された停戦であり、今最も恐れられているISが除外されている。表面的にいかに停戦が成立していてもISが自分たちには無関係としてこれを無視して武力を行使すれば、たちまち停戦は止み、再び戦火が勃発するだろう。
両陣営とも臨戦態勢は崩していないようだ。IS、或いはクルド人過激派の動き如何によっては、いつ何時再戦に突入するとも限らない。ここ数日の様子が注視される。
2つ目のニュースは、昨年来すったもんだしていた国際サッカー連盟(FIFA)会長選挙でスイスのインファンティノ前FIFA事務局長が決選投票の末次期会長に選出された。国際オリンピック委員会(IOC)に次いで世界でも最大の権力を誇るスポーツ団体だが、これまで不正・汚職の噂が絶えなかった。
新会長は45歳の若い弁護士であるが、2000年に欧州サッカー連盟入りして2009年にFIFA事務局長に就任して、これまでの一連のスキャンダルの拠って来る原因を承知しているので、早速新提案をしている。権限の強い会長長期任期に制約を設けて、会長の任期を3期12年までとしたことである。12年でも長すぎると思えるが、これまではアベランジェ元会長22年、ブラッター前会長18年を考えれば、前進と言えるのではないか。放送権料収入や、広告料など豊かな財源を持つだけにこれまで金銭面での汚職が絶えなかった。真面目にプレイする選手たちを冒涜するような行為である。これに懲りて金銭面も、その他の運営面も明瞭にして人気スポーツであるサッカーを更に繁栄させてもらいたい。
国内のおまけのニュースとしては、今年から南半球の強豪チームが争う世界最高峰のスーパー・ラグビーに参戦が決まった日本代表チーム「サンウルブス」が、南アフリカ・チームと初の公式試合を行った。ラグビー人気を反映して前売り券は完売だったが、肝心のゲームは残念ながら26-13で敗れた。しかし、世界レベルのチームと試合を重ねることが、チーム力強化のうえで欠かせないことであり、これからの実戦経験とそれによるチーム力向上に期待したい。
もうひとつ珍しいニュースとしては、2000年に発見された小惑星「61189」に、「王貞治」という名前が付けられたと国際天文学連合が発表したという微笑ましい話題である。この「王貞治」小惑星は直径が3㎞で、火星と木星の間にあり太陽を3年8ヶ月かけて一周する。5桁の数字の中に、偶々王選手の選手時代の背番号「1」と、ホークス監督時代の「89」が入っていて、命名の申し出に王さんも快く了解したという。