1600.2011年9月30日(金) ここ2日間で納得の行かないこと

 このところ気に食わないことが多い。昨日厚生労働省の審議会は公的年金の減額に向けて検討を始めた。年々悪化する年金財政を立て直すために、「税と社会保障の一体改革」のプロジェクトの中で、将来に向け健全な運営を図るための対策を練る検討会である。現在のような経済環境では年金基金をいくら上手に運用しても、確かに収支的には厳しい。それを若い世代の負担を極力減らそうとの試みは理解できないことはない。そこで約2.5%分余計にもらっていると判断される現在の年金を調整しようというものだ。当然減額される年金に対して、受給者から反発が予想される。私も受給者のひとりとして一言言いたい。収入はともかく支出面でこれまでに無駄は無かったのか。現状無駄な支出はないと自信を持って言えるのか。数年前解体された旧社会保険庁の杜撰だったあのザマは何だ。よくよく反省のうえに立って検討してもらいたいものだ。
 次に好ましくないこととして、今日人事院が今年度の国家公務員の平均年収を引き下げる勧告を提出した。平均で0.23%の引き下げだという。民主党マニフェストに沿って政府が通常国会に提出した給与カットは平均7.8%である。このギャップは何だ。人事院の言い分がふるっている。公務員の月給は民間平均より899円高く、ボーナスは0.04ヶ月低かったという。これを以って月給を少々下げ、ボーナスは減額しないという。この民間会社というのは、景気の良い大企業のことだろう。こういうのは民間平均とは言わないものだ。同じ国家公務員である人事院職員は、自分たちに都合の悪いことを提案するわけもなく、できるだけ防波堤を高くしようとする。国家公務員の給与の査定を内々の公務員が行うこと自体おかしい。
 更に、人事院の許せない点は、先月7日の本ブログへ書き込んだように国家公務員の定年後の優遇措置を、この人事院勧告とセットでこっそり提案しようとしていることである。つまり公務員は定年後65歳まで毎年退職時の7割を給与として受け取れるそうだが、公務員の給与削減が強く言われている中で、こんな自分たちだけ好待遇を受けるということについて、公務員自身良心の呵責を感じないのか。できるだけひっそり、こっそり甘い汁を吸おうとしている。根源的には現在の人事院制度の在り方に問題がある。こういう公務員に甘い論理だけで、公務員の待遇を決定するずるい決済方式は止めるべきではないか。まったく日本の官僚は国民を出汁にして楽に、厚遇を受けようと悪辣なことばかり考えている。
 もうひとつ納得の行かない事案がある。昨年4月東京地裁で下された1審判決を、昨日東京高裁の控訴審で原告側の訴えを退ける逆転判決がなされたことである。あまりにも有名になった沖縄返還の際日米政府が交わした密約をめぐる情報公開訴訟である。密約文書は過去にあったが、今は紛失したので、公開できないというごまかしを裁判所は認めたわけである。裁判では密約文書があったこととそれを廃棄した可能性に言及した点で、実質的には西山太吉氏ら原告側の主張を認めたのである。それでも形式上逆転敗訴となったことが理解できない。原告側は上告を検討しているらしいが、当然であろう。これまでの経緯を見てみれば、原告側の主張こそ筋が通って正しいことははっきりしている。それにしても国のしらばっくれた隠蔽行為と、ばれたら誤魔化そうとする態度は許せない。

2011年9月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com