1604.2011年10月4日(火) ノーベル賞受賞者が直前に死亡

 昨日今年のノーベル医学生理学賞が米仏の3人の学者に授与されることが決まったが、その直後にその内のひとりが3日前に亡くなったことが分った。ノーベル賞は死者には贈られないことになっていたが、発表時点ではまだ亡くなったことが分かっていなかったために、今日規定通り受賞を認めると発表した。従って副賞の賞金も支払われる。それにしても死者にノーベル賞とは異例である。故人は黄泉の国でどう見ているだろうか。その該当者であるアメリカ人のスタインマン・ロックフェラー大学教授は9月30日膵臓癌により68歳で亡くなった。4年前から癌を患い自分で考えた免疫療法を受けていたという。ノーベル賞の念力をもってしても自らの病は克服できなかった。
 それにつけても、いつも高齢にして現役医者としてその元気な姿がよく紹介され、話題になる聖路加国際病院・日野原重明名誉医院長が、今日満100歳の誕生日を迎えられたとはおめでたい限りである。日野原先生の驚嘆すべきは、高齢にしてなお現役で活躍されていることである。一層のご健勝を祈念するばかりである。
 ノーベル賞については日本人として昨年の化学部門の根岸博士と鈴木博士に続き、京都大学山中伸弥教授が最有力候補者としてその受賞が期待されていたが、今年も逃してしまった。期待は残念ながら来年以降に持ち越しとなった。
 さて、駒沢大の今日の講座では、2つの講座ともウォール街のデモについてだった。昨日は700人が逮捕されたが、アメリカ国内でこれだけ派手なデモがあったのは、恐らくベトナム反戦デモ以来ではないかと思う。デモは徐々に広がり、今日は西海岸のロサンゼルスでもデモが行われ、アメリカ各地に伝播しつつある。デモの理由は高失業率、格差の不満と経済政策の見直しである。ジャスミン革命と称される北アフリカのデモとは違う。北アフリカのデモは独裁政権打倒と、自由及び民主化を求めたものであり、アメリカの経済問題に関するデモとは本質的に異なる。不況に伴う不安定感はヨーロッパでもいよいよ深刻になってきた。特に、ギリシャの信用不安から全ヨーロッパ中がおののいている。日米欧の景気回復が成らないとなると、今や発展途上国の経済状態より日米欧の先進国のどん詰まりの方が心配である。ユーロ圏の財務相会議で底なし沼に陥ったギリシャ追加支援が真剣に検討されている。株価も世界的に大幅な下落続きである。まったくいつになったらこの地球規模の不況から脱することができるのだろうか。

2011年10月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com