1613.2011年10月13日(木) 問題だらけの原発を性懲りもなく推進する気か。

 昨日突然のようにわが地元の世田谷区内で放射線量が測定された。毎時2.7マイクロシーベルトの数値は、計画的避難区域の福島県飯館村の毎時2.1マイクロシーベルトを上回る。不思議なことにその地域だけが高い。専門家はややくぼ地になっている点を考えると、雨水が集まった結果線量が高くなったと考えられると言っていた。この地域だけが突出して数値が高いというのはどうも理解できない。現場が区立松ヶ丘小学校近くということから地図で調べたところ、わが家から直線にして約3kmの至近距離だ。風向きによってはわが家にも放射能が飛んでこないとも限らない。
  そこへ昨日首都大学東京の福士政広・放射線学科教授が計測したところ、ラジウム226が検出されたという。福士教授がこれは福島原発が原因ではないと明言した。そして今日午後になってその場の民家の床下にある瓶の周辺から、高シーベルトが検出されたと保坂世田谷区長が公式に発表した。まだ専門家の説明を待たなければならないが、福島からの放射能が飛んできたのではないことがはっきりした。ともかく一安心である。
  放射性物質漏れについては、いろいろな意味で新たな問題を提起し、国民は頭を悩ませている。最大の問題は福島第1原発の放射能漏れがまだ収束できないことである。次いで放射性廃棄物の処理が世界的にまったく未解決であるということである。今まであまり関心を持たれなかった廃棄物の問題が、これから大きな課題として突きつけられることになろう。
  そして今日、「エネルギー白書」(2010年度版)が発表された。前年度版まで盛り込んでいた「原発推進」の言葉が削除され、原発関連の記述が大幅に減らされているという。本来なら6月に公表されるべきものだが、震災の影響で大幅に遅れ、しかも内容的に大きな方針変更があった。
  因みに前年度版と比べてみると、原発推進の表現が完全に消え後退している。例えば、『原発の位置付け』は「基幹電源と位置付け前進」→「削除」、『核燃料サイクル』は「推進することを国の基本方針とする」→「削除」、『拘束増殖炉』については「環境負荷の低減という観点からも開発意義が高い」→「削除」となっている。大事なことはみな削除されている。更に最も関心を持たれている『原発の安全性』は、「地震、津波等に対しても十分な対策がなされている」→「原子力の安全確保に関する課題が浮き彫りになった」と捉えているが、十分な対策がなされていたとの記載について反省は一言もない。
  ある教科書では、エネルギー資源でダントツに安全と表記され、最もコストがかからないと紹介された原発が、問題になっている。事故が発生した場合のコストが巨額に上る原発について記述がまったくないからである。
  問題だらけの原発であるが、今朝の朝日に「電力支配」と題する記事が掲載されている。これも北海道電力と元経産省役人だった高橋はるみ知事との密接な関係を暴いている。これでは高橋知事も北電の原発を止められまい。北海道では原発推進の方向にあるが、震災前とは打って変わり原発の恐さが分った今では、原発推進派の人々は原発の危険性を承知のうえで国を破滅に向わせるようなものではないか。

2011年10月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com