1614.2011年10月14日(金) 中国問題について専門家の話を伺う。

 毎月開催される「JAPAN NOW観光情報協会」の観光立国セミナーで、今日は「野田内閣に望む外交政策」と題して中国人の専門家、社団法人日中科学技術文化センター理事長で、日本でも福井県立大学名誉教授をされている凌星光先生が講演された。
 凌先生の論旨は、①日本人の一般的な考え方は現在の中国の力と中国の成長性を過小評価している、②過去2000年の歴史を見ると国際政治は歴史的地殻変動期にあり、そろそろ東洋の時代である、③覇権国家の終焉、つまり覇権主義の超大国はなくなる④日中両国民に心理的調整が必要、特に尖閣諸島問題、⑤日本外交軍事戦略は日米重視ではなく、アメリカは後退してオフ・ショア・バランシングを行うことと6ヶ国協議を制度化すること、等々大変率直に日本人の近視眼的な戦略と中国現状と潜在力について話されたように思う。
 ただ、これまで中国の中華思想的発想や、覇権主義に振り回されてきたわれわれ日本人としては、先生の仰ることを額面通りに受け取って良いものか気になるところである。
 しかし、質問者に対する回答も含めて、いま世界から非難されている中国の非人道的、非民主的、言論抑圧等々について充分納得できる説明はされなかったし、最近の高速鉄道事故についての弁明的な説明は少々不満だった。例えば、後者の説明で、日本の新幹線は開業以来50年に対して、中国は高速鉄道を運行してまだ日は浅いので止むを得ない。いずれ50年も経てば中国も事故がなくなるというような論理は理解し難い。こういうような例え話で話すこと自体論理にずれがあり、疑問に感じた。
 凌先生は日本生まれで一橋大学を中退して母国中国の大学を出られただけに、日中両国の諸問題に造詣が深い。これまで日本に関する知識を中国で生かし、論陣を張って中国上層部に持論を伝えることができたようだが、個人的な見解もあるが、すんなりとは納得できない。中国の知識人の中にはこういう考え方の方が多いのだろうかと思うと日中間の誤解を解くのは容易ではないと思う。
 さて、母校湘南高校の前同窓会長・天野武和さんからメールをいただいた。それによると今年創立90周年を迎えた母校に建設中の「湘南・校史資料館」の展示企画のひとつとして「湘南大樹」というプロジェクトを計画しているが、そこに過去90年間に輩出した卒業生250名前後を紹介するコーナーを設ける計画であるという。そしてそこに湘南大樹を描き、その木の葉の1葉に私を推薦し紹介してくれるという、大変光栄なお申し出をいただいた。大したことはやっていないが、海外における破天荒なひとり旅の体験が後輩たちを勇気づけるものと好意的に受け取っていただいたのではないかと勝手に解釈している。後輩たちを激励する意味でこういう先輩がいるということを知らせる試みのようである。石原慎太郎・都知事やノーベル賞受賞者・根岸英一博士、指揮者・大野和士氏ら並み居る大物に混じって私ごとき小者を取り上げてくれるということに感激した。回答を求められたので、即座に‘YES’と回答した。まだ先のことではあるが、有難いし大変名誉なことであると考えている。

2011年10月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com