タイの洪水が首都バンコックを中心に大きな騒ぎになっている。チャオプラヤ川沿岸のアユタヤが水害により街全体が浸水して工業団地が操業を停止した状態である。水害により日本企業約430社が被害を受けている。元々バンコックにしろ、アユタヤにしろ地盤が低いので、一旦水が入り込むとインフラ整備が充分でないこともあり、手作業で土嚢を積み上げて被害を最小限に食い止めるより他に手がないのが実情である。大潮の時期が重なったなったうえに、今年は例年になく降雨量が多く、上流の3ヶ所のダムで放流したことも効いているようだ。
ニュースを見ているとバンコックのチャオプラヤ川に500隻の船を並ばせて海へ向って一斉にエンジン全開して海から押し寄せる潮流を防ごうとしたり、道路という道路に土嚢を積み上げたり、どうも原始的としか思えない防護策を講じているのが儚い気がする。旅行会社でもバンコック方面のツアーを取り止めたところも出ている。
日本では地震に津波、同じアジアのタイでは洪水と、今年は随分自然にしっぺ返しをされた1
年と言えよう。
さて、アフリカで存在感を強めていた中国に対する不満がアフリカで高まり、その対応も変わってきた。天然資源獲得へ向けて経済進出を強めていた中国に対するアフリカ各国の不満が募り、中国の開発に対して距離を置き始めた。確かに中国は巨額の資金を投資して、資源を開発しているが、その事業はほとんど「ひも付き」で、現地の雇用や貧困問題の改善につながらないことがはっきりして、それがアフリカ諸国の反感を買っている。
結果的に中国と友好的な国では国のトップが中国と親密な関係にあり、それが住民の政権批判に及んできた。銅とコバルトを豊富に埋蔵するザンビアでは中国企業300社が進出しているが、中国に対して中国人を無数に呼び寄せ労働力とすることを制限するよう警告した。アンゴラでは中国の全輸入量の16%を占めるほど原油輸出が突出しているが、中国企業を優遇していた在職32年のドスサントス大統領を批判するデモが頻発するようになった。ナイジェリアやタンザニアでは中国企業や中国人を狙う事件が相次ぎ、今や中国人と関わる企業の安全が危惧されているほどである。
中国流の支援とは、金は出すが現地人の雇用とはならず、開発した原油を大量に中国へ送り、それほど多くの資金を現地へ落とさず、現地の生活は潤わず、アフリカをダシにして結局中国を富ますだけとの反発も出てきた。中国は政府開発援助(ODA)の取り扱いについても相手国と齟齬を来たしている有様である。
去る14日に凌星光先生から中国的思考について話を伺ったばかりだが、やはり凌先生が考えているように中国人の偏った発想によってトラブルを生じさせていると思う。これでは、中国はいずれ世界中の嫌われ者となるのではないか心配である。
すでに親中国だったビルマが距離を置き始めた。中国首脳陣は分りきったようなことにまだ気がつかないのだろうか。
今夜プロ野球セ・リーグで中日ドラゴンズが横浜ベイスターズと引き分けて、昨年に続き連覇を飾った。引き分けで優勝が決まるというのも妙な感じである。このチームもパ・リーグの覇者福岡ソフトバンク・ホークスともどもこれからクライマックス・シリーズを勝ち抜いて日本シリーズへ進出できるだろうか。