1642.2011年11月11日(金) 野田首相の結論は「TPPに参加」

 わが国がTPPに参加するかどうかで揉めていたが、今夜野田首相は記者会見を開き、TPPに参加する決意を表明した。本当は昨日開く予定だった記者会見をどんづまりで1日延期したうえでの決断である。野田首相は2008年に野党議員として国会でTPPに関して質問している。その頃からTPPに関して一家言持ち、勉強していたようだ。今日まで結論を引っ張ってきたが、大局的に参加が日本にとって利ありと確信してTPPに取り組む覚悟だろう。
 賛成派と慎重派の対立と言われていたが、実際には慎重派ではなく反対派であり、結局野田首相は反対派を配慮しつつ賛成派の意見を汲み取り、明日からハワイで開かれるAPECで、日本の立場を述べることになった。それにしても、それぞれの業種に関わる人たちが自分たちの立場と利益を主張するばかりで、どうにも分かりにくい。首相より大分遅れて私自身不勉強だったが、菅前首相が6月ごろにPTTについて前向きなコメントを述べるまでは、その内容についてまったく知らなかった。国民もほとんどが似たようなものではないかと思う。それ以来急激にPTT問題は俎上に上がり、それぞれの利益を絡むグループが賛否入り乱れて混乱する有様である。
 21分野に亘って細かく交渉するとなると、充分その効果を考えなければならない。1番心配なのは日本の外交力と姿勢が毎度弱腰で交渉に弱く、今度も押し捲られるのではないかという懸念である。それと同時にアメリカから参加を誘われたとは言え、アメリカが必ずしも日本の言い分を黙って聞くわけではなく、むしろアメリカから日本の主張を遠ざけられ、アメリカ議会の承認を得られない心配もある。日米両国ともに国内向きにすんなり受け入れられない事情を抱えている。日本にとっては進むも火ダルマ、退くも火ダルマのような難しい立場にある。
 これから日本にとって本格的な対外交渉が始まる。果たして工業製品を日本にとって有利に交渉できるだろうか。それと同時に農業品について日本が望むような形で交渉できるのだろうか。
 とにかく野田首相は決断して、明日ハワイへ乗り込む。意気込みだけに終らず、少なくとも望みを残してくれるような話し合いを期待したいものである。

2011年11月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com