今日イギリスでは欧州連合(EU)から離脱するか否かの国民投票が行われた。開票作業が始まるのは、日本時間で明日の6時で、正午過ぎには大勢が判明すると見られている。メディアの伝えるところでは離脱派と残留派が拮抗している。イギリス各社の予想でもほとんど1~2%の差である。残留派のキャメロン首相と離脱派のジョンソン前ロンドン市長が懸命の広報活動を行っているが、先日残留派のコックス会員議員が殺害されたことで、残留派が若干有利になったとの予想がある。更にかつてのサッカー界のスター、ベッカム選手に残留派を名乗らせるなど、両派ともあの手この手で策を巡らせている。
そもそも国論を二分するようになったのは、いま話題の移民問題が大きい。国境の壁を簡単に潜ってイギリスへ入国する移民が若者の労働市場を奪っているとの離脱派の声が大きい。一方で、残留派はヨーロッパにはイスラム過激派や移民、気候変動などで建設的な関与が欠かせず、お互いに助けあうことの重要性を説いている。そしてイギリスのEU残留はドイツ、フランスも強く望んでいる。日本にとっても他人事ではない。離脱となれば、ポンドが下がり、円高、株安となり株式市場では混乱を来す恐れもある。日本時間で明日午後には大勢が判明すると見られている。個人的には、このまま現在の状態、つまりイギリスがEU内に留まってほしいと思う。
さて、今日はわが国にとっても歴史上大変な一日だった。終戦の年沖縄で最後の戦闘が行われた「慰霊の日」である。最後の激戦地となった糸満市の摩文仁の平和祈念公園では、県主催の沖縄全戦没者追悼式が行われた。追悼式には安倍首相も出席したが、いま沖縄では辺野古移転闘争の他に、先日若い日本人女性が元海兵隊員のアメリカ軍軍属によって殺害された事件が生々しく思い出される。19日には、同事件発生に抗議する全島抗議集会が開かれた。この事件で改めて大きな問題となってきたのは、このような事件を引き起こした犯人の扱いを巡る日米地位協定をどう受け入れやすく改定するかという問題があるからである。
それにしても戦後沖縄の人々は基地によって抑圧されてきた。それを我々沖縄以外の日本人があまり正面から見つめようとせず、他人事と見てきた経緯がある。やはりこのままではうまくないと思う。