沖縄問題となると、どうしてこうもこじれるのか。先日防衛省・田中聡沖縄防衛局長の暴言があったと思ったら、その身内の暴言を非難して更迭処分まで下していた一川保夫・防衛大臣が語った、米兵の少女暴行事件について、実態を知らなさ過ぎるとして野党はもちろん、与党内からも非難が浴びせられている。職務柄そう批判されても弁解の余地もない。
何度も繰り返すようだが、一川大臣は就任記者会見からして大臣としての適格性に欠けるのではないかと危惧されていた。防衛大臣になろうというのに防衛問題に素人であると公言して、顰蹙を買ったのはつい3ヶ月前である。こういう発言を聞かされては、部下も堪ったものではない。東日本大震災で活躍する自衛隊員のモチベーションも下がる一方なのではないか。どうしてこんなとろい人物が、国防の最高責任者になることができるのか。
1995年米海兵隊員による沖縄の少女暴行事件は、事件当時沖縄中で強い反発を買い反米デモを引き起こした。これがきっかけで普天間基地移設問題が俎上に上がってきた。今普天間基地移設問題がギクシャクしている最中に、そんな大事な事件の内容と経緯も知らずに、よくも防衛大臣を引き受けたものだ。大臣たるもの何も考えていないことになる。
衆議院では大臣の問責決議案が検討されている。ほとんどの野党が問責に賛成しているうえに、与党内でも大臣を罷免させるべきだとの強硬な意見が出されている。今日前原誠司・民主党政調会長が「この問題(少女暴行事件)をきっかけに米軍普天間飛行場返還が大きなうねりになった。そのことをご存じないとは勉強不足が過ぎる」と切って捨てた。同じ党内有力者からも愛想をつかされたのである。このままでは衆議院で問責決議案が通ることは確実である。これは政権政党にとって致命傷になりかねない。任命権者である野田首相にとって選択肢は狭まり、防衛大臣を罷免するかどうかの瀬戸際に立たされている。どうして、こうもでき損ないの大臣が後から後から表舞台に出てくるのだろうか。
政治が不透明で前へ進まない時に、またつまらない失言と足の引っ張りあいにより国政レベルで時間と費用を無駄に使っている。国会議員はもっと恥を知るべきではないか。自分たちは仕事もせず、身銭も切らずに国民には増税、増税と負担ばかり押し付けている。いま国会議員に一番実行してもらいたいことは、議員定数の削減である。これで財政的には大分助かる。これは総選挙の民主党マニフェストであり、国民に約束したことではないのか。国民との約束も守れないのか。
東京メトロ「国会議事堂前」駅名をフランス語で発音すると「コッケイジジドモー」となる。正に図星である。エスプリの効いたジョークを好むフランス人は流石に見抜いている?
結論を言えば、「国会議員とは何も考えず怠け者でウソツキ、単に欲の深い詐欺師である」。