1669.2011年12月8日(木) 太平洋戦争開戦70周年を迎える。

 日本帝国海軍の戦闘機による真珠湾攻撃で戦争の火蓋は切られた。今からちょうど70年前の今日太平洋戦争は始まった。今なお公式には戦争の検証が充分なされたとは言えない。先ずは、戦争の原因を突き止め反省のうえに過去を清算することが、求められると思う。にも拘わらず、今だに誰が戦争責任者なのかはっきりしない。310万人もの多大の犠牲者を生み出しながら、依然として誰が戦争の責任者なのか判然としないのは不条理ではないか。

 今朝の朝日「オピニオン」で、日本近代史専門の加藤陽子東大教授は、最終的に開戦の決定を主導したのは誰かと問われたのに対して、大本営政府連絡会議と閣議決定によって開戦が決まったので、軍と内閣双方の一致があったと答えている。つまり軍と政府両者の責任ということのようだ。個人的には誰とは言っていない。加藤教授によると、日本は軍と文官の間に非対称性(この言葉がよく分らない)があったという。

 開戦は軍の暴走によるものと喧伝され、それを止められたのは天皇しかいなかったと言われ、結局戦争へ向ったのは、止められなかった天皇の責任が重いと言われたこともあった。いずれにせよ戦争責任についてはこれまであいまいのまま過ごしてきた。

 それが証拠には、靖国問題はウヤムヤにされ、沖縄基地問題も出口は見えず、戦後浮上した国境問題には話し合いする気もなく、歴代政権は事なかれ主義で手をつけず今日まで無為に過ごしてきた。実際太平洋戦争とは言うが、これだって正式な名称ではなく暫定的な名称であり、あれだけの犠牲を払った戦争が今もって正式名称さえ付けられないまま今日に至っている。

 今の政治家は無能ということもあるが、こういう大事な問題を真正面から取り組もうとしない。些細なことについて口こそ達者だが、しっかり学び専門知識を身につけて、論理的にディベートしなければいけないような厳しい問題からはみんな逃げている。何でもかんでも先送りして、自分たちの手は極力触れないようにしているのだから話にならない。

 さて、昨年の今日は韓国にいた。昨年11月23日に起きた延坪(ヨンピョン)島砲撃事件の情報を探るべく出かけたが、警戒が厳重で同島方面へはとても行ける状況ではなかった。ただ、高速道路上、或いはドライブインで大砲を載せた軍用車を見たり、頻繁に戦車を載せた軍用車を追い抜いたりしたのは、事件の影響ではないかと思ったものだ。

 今日のテレビ番組を見てみると、NHKは戦争を取り上げた番組がいくつかあったが、民間TV放送はあまり大きく取り上げていない。僅かに日本テレビ「ZERO」が、戦史物を書いている半藤一利氏を引っ張り出し、村尾信尚キャスターと対談した程度である。過去の事件よりCMが取れる金儲け番組の方が大事だと思っているわけでもあるまいが、各民放も開戦70周年という画期的な日を真剣に捉えて、もう少し昭和の大戦争に関心を持っても良いのではないかと思う。

2011年12月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com