1680.2011年12月19日(月) 北朝鮮の‘将軍様’金正日総書記急死!

 昨日チェコのバツラフ・バベル前大統領が 75歳で亡くなった。バベル氏は1989年のビロード革命を率いて旧チェコスロバキアの民主化を無血で達成した。反体制の劇作家として知られ、1968年の「プラハの春」では、プラハ市内へ侵攻したソ連率いるワルシャワ条約機構軍に抵抗して身柄拘束された。その後民主化運動のリーダーとして活動を続け、遂に無血革命を成功させ国民に圧倒的に支持されて初代大統領の座に就いた。

 個人的には「プラハの春」と言えば、まずチェコ留学の夢を壊された忌々しい記憶が思い出される。その後「プラハの春」20周年記念日の1988年8月20日には、偶々プラハに滞在していてバーツラフ広場で大きなデモの中に誘い込まれそうになった。いずれにしても私にとって「プラハの春」の忘れられない人物は、国の民主化への開放に火を灯した党第1書記のドブチェック氏と、民主化リーダーとして無血のビロード革命を成し遂げたハベル氏だった。

 その英雄ハベル氏死亡のニュースに引き比べ、今日唐突に飛び込んできた「世界の妖怪」の死にはびっくりさせられた。何とお隣・北朝鮮の「将軍様」金正日総書記が2日前に心臓発作で急死したのである。第2次世界大戦後スターリンやケネディの死に匹敵するほどのショッキングなニュースである。午後1時過ぎに臨時ニュースが流され、号外も発行され、この「妖怪」の死亡はあっという間に日本中を駆け巡った。テレビの番組は変更に次ぐ変更で、流石に世界がマイナス・イメージで注目するだけの大物である。この悪名高き金正日の死に比べると、国民を力づけ国の民主化へ導いた、偉大なるハベル氏死亡のニュースはあまりにも慎まし過ぎるように思える。

 経済低迷、農業凶作に加え、外国の経済封鎖の中で追い詰められた金総書記には、まだカリスマ性というか、絶対神のような存在感と影響力に加えて、瀬戸際外交という危ない橋を渡って世界を恐怖に陥れる悪霊のような悪いイメージがあった。しかし、父親の金正日・総書記の継承者と公表された三男の金正恩はまだ若く、政治舞台へのデビュー後日も浅く、実績はほとんどない。政治基盤も極めて弱い。果たしてその金正恩に金王国を継承していく力があるだろうか。しばらく革命とか、権力闘争、金王国崩壊という騒ぎが起こることはないだろうが、軍部を中心によほど三男坊のバックアップ体制を固めないとこれまでのように不安定的安泰というわけにはいかないだろうというのが、大方の見方である。これから北朝鮮の政治、外交についていろいろ交わされる議論が見ものである。

 この怪物のような金正日の評価なぞはどうでも良いが、これから北朝鮮はどういう道を進んでいくのか。核・ミサイル開発問題はどうなるのか。拉致問題はどうか。

 今日金正日死亡、享年69歳。それでも私より4歳若い。

2011年12月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com