1694.2012年1月2日(月) 「原子力村村長」らは収賄で都合良い情報を流していた。

 毎年正月2日は全国大学ラグビーと関東大学対抗箱根駅伝を自宅でテレビ観賞するのがこれまでの習慣だった。それが今年はどうも気持ちが入らない。期待していた駅伝は予想通りのレース展開で興味が薄れたが、ラグビーもちょっと魅力がない。特に大学ラグビー選手権では、これまで伝統校とされた早慶明が全国大学ラグビー準決勝に初めて1校も駒を進められなかったことが、興味を失わせた大きい原因だと思う。しかも決勝へ勝ち進んだ天理大と帝京大の中心選手がいずれも外国人留学生というチーム構成なのである。それがファンを白けさせたのか、実際毎年満員になる国立競技場のスタンドが今日はまるでがら空きである。一般のラグビーファンも折角の準決勝をあまり期待していないのではないかと思わせる。そのせいかどうか分らないが、準決勝の天理大対関東学院大戦、及び帝京大対筑波大戦は、いずれも大差がつき、今ひとつ盛り上がりに欠け、試合も意外性やスリリングなシーンがなく、途中で観戦を止めてしまった。こんなことは初めてである。

 近年ラグビー人気が低調傾向にある中で、目玉の大学選手権がこの有様では寂しい。そこにはいくつかの原因が考えられるが、当面は初めて決勝へ進んだ天理大と3連覇を狙う帝京大の決勝戦が緊張感のある熱戦により、試合を盛り上げ、その後開催される日本選手権をが更に盛り上げることしか考えられないのではないか。

 さて、元日の朝日新聞に2人の著名人のインタビュー記事が載っている。原発とエネルギー政策に関するもので、哲学者・梅原猛氏と経団連会長・米倉弘昌氏に別々に取材したものである。梅原氏は「原発事故は文明災であり、そのために文明を基礎づけている哲学思想を変えなくてはいけない」と応えておられる。それは、現代の科学技術文明を基礎づけたのはデカルトの哲学であり、彼の科学が発展すれば、人間は自然を奴隷のように支配できるという哲学が人類の思想となったことが大きな間違いだったと語った。梅原氏は自然エネルギーの開発を提言される。政府が自然エネルギー研究へもっと予算を出せばよいと主張され、過剰な消費生活の抑制についても述べておられる。

 その一方で、経済界のリーダーである米倉氏は、短期的には原発がないと経済発展は不可能だと立場上持論を主張される。「エネルギーというのは産業、及び国民生活の基礎インフラ。日本がこれだけ経済成長できたのは安定的で質の高いエネルギーの供給があったからだ」と言う。ただ、それでも節電や省エネを進め、再稼動を行いつつ、将来的には原発ゼロが夢と語っている。立場は変われども、危険な原発についてはないことが望ましいとの認識では一致している。これは普通の国民の考え方とも同じではないだろうか。

 こんな時に今年朝日新聞が最初のトップニュースとして取り上げたのが、原子力安全委員会の委員と審査委員のうち、約1/3のメンバーが原子力関連の企業・業界団体から多額の寄付をもらっていたとの情報である。不届き千万である。5年間に24人の委員に8,500万円が寄付されていたという。これでは彼らから原子力や原発に関して関連企業や政府機関に不利な情報が発せられるはずもない。敢えて言えば、寄付金とは言うが、これは国家が公認した「贈収賄」ではないだろうか。事故後のNHKの原発事故に関する解説でも、彼ら委員たちが原発は「安い」「安全」「きれい」の言葉を度々繰り返していたが、当然そうなるわけである。「直ちに健康に影響があるわけではない」と発表し、先日誤解されやすい言葉と指摘された当時の枝野幸男・官房長官の情報源も、案外この買収によってもたらされた発表だったのではないかと疑念を抱かざるを得ないのだ。

 斑目春樹・委員長もちゃっかり400万円もいただいていた。その委員長が便宜は一切図っていないなどと言い切る白々しさには唖然とするばかりである。他の委員も影響を否認したようだし、委員長の如きは「すべて公開して国民に判断してもらう」など開き直っていて、まったく反省の素振りすら見えない。

 東大、京大を始めとする御用学者にはろくな奴がいない。金儲けのために研究と称することをやっていて、その実こっそり悪いことをやっている。どうして彼らの悪事を暴き、これを排斥することができないのか。マス・メディアの怠慢であると言わざるを得ない。

 結局原子力村の住民は「村長」以下みんなが、原発開発、事業継続のため交付金や協力金で甘い汁を吸っている、精神が腐りきった詐欺師だと言っておきたい。

2012年1月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com