1695.2012年1月3日(火) サモアでは12月30日が無く、1年が364日だった。

 オウム真理教事件で警察庁から特別指名手配されていた「平田信」が、ひとりで大晦日に丸の内警察署に出頭し逮捕された。事件発生以来16年余も逃走していた。今も逃走中の「菊池直子」とともに指名手配書でよく見る顔である。昨年12月教団をめぐる一連の刑事事件が終結して主犯の松本智津夫ら幹部13人の死刑がいつ執行されるかという点に焦点が移っていた。それにしてもなぜいま頃になって平田が名乗り出たのか、メディアの間では憶測が飛び交い格好の話題になっている。

 この本人出頭について、実は当日警視庁に行ったが、機動隊員に悪質な悪戯と看做され、近くの丸の内署を案内され出頭したというウソのような話がある。それ以前にも出頭しようと警察の情報提供フリーダイヤルに電話をしたが、相手にされず大晦日の丸の内署への出頭に至ったという。

 先日も世田谷一家4人殺人事件発生以来満11年を経過して、遺留品から静岡方面を中心に警察官が街頭に出てビラを配り、どんな些細な情報でもよいから、心当たりがあったら警察へ届けてほしいとPRしていた。実際悲惨な事件が起きるたびに警察は同じようなことを言うが、本当にそう願っているのか怪しいものだ。平田の出頭のケースを考えると、一連の情報呼びかけパフォーマンスも警察として一体どこまで本気なのかとつい疑ってしまう。

 一方で、世間離れしたような意外なニュースもある。太平洋上の小さな島国・独立国サモアでは昨年末の1日が突然人為的に無くなってしまったのである。

 その真相を種明かしすれば、サモアはこれまで日付変更線の最西端にあって太陽が世界で最も遅れて上る国だったが、昨年12月30日を機に日付変更線をサモアの東側に移し、地球上で一番最初に日の出を見られる国に変えてしまったことからである。こんな手品のようなことができるとは思いもよらなかった。その代わりにカレンダー上は1日繰り上げるわけだから、サモアでは2011年12月30日という日が存在しないことになってしまった。意図的に29日から31日に1日飛ばしてしまったのである。私が考えるにはどうせ変えるなら、30日を残し最後の31日をなくしてしまった方が分り易いと思うのだが・・・。

 なぜこんなおかしなことをやってしまったのかと言えば、近くのニュージーランドやオーストラリアとのビジネスに、いつも1日違いというのがどうも不便だったらしい。それにしてものんびりしたものだが、どこか浮世離れしていてほのぼのとするニュースではある。だが、こういう国と取引する時には当座ちょっと困るかも知れない。

 わが国では国内に時差も夏時間もなく、画一的で分り易いというメリットがある反面、こういう複雑な時間に慣れていないせいで、時差や特別なローカルタイムのある土地を訪れるとしばしば戸惑うことがある。実感として不思議な感じがしたのは、中国の成昆鉄道に乗車した時、すべて北京の標準時間に沿って走っていたために、実際は明るいのに夜間の時間帯になっていたことである。

 地方によってそれぞれその土地の特徴を生かした制度なり、習慣を取り入れるのは結構だが、それを知らないと困惑する。まあ、それも旅行の楽しみのひとつであるかも知れない。

2012年1月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com