ビルマの国名をわが国の漢字の略称では「緬」としている。この緬を「へん」の「糸」と「つくり」の「面」の二つに分けて、人の名前に使用された。日本の陸軍士官学校留学中のビルマ人士官の名前で、ひとりは糸田であり、もうひとりは面田である。糸田はネ・ウイン元大統領であり、面田は建国の父と呼ばれた、アウン・サン将軍である。言わずと知れた民主化運動のリーダー、アウン・サン・スー・チーさんの父親である。
64年前の今日、1月4日ビルマは独立した。毎年1月4日に五反田の駐日ビルマ大使館で独立記念パーティが開かれ、かつては毎年のように亡くなられた元飛行第64戦隊の西沢敏一さんとお祝いに出かけたものである。
ビルマは今日まで軍事政権が頑なに民主化を拒み、欧米諸国から経済制裁を受けて苦しい国の運営を余儀なくされてきた。漸く最近になって民主化に門戸を開き、自宅軟禁状態のスー・チーさんを解放するようになった。今後収監されている民主化運動の指導者たちを釈放し、現実社会の声に耳を傾けてくれればビルマも少しずつ民主国家へ歩み出してくれると思う。
さて、今年は世界的に国家指導者の選挙と交替が行われる。中国ではすでに次の国家主席に習近平氏の就任が決定している。フランス、ロシア、韓国、台湾などでも選挙による最高権力者が決まる。
アメリカでは今年11月に行われる大統領選挙で次期大統領が決まり、来年1月に新大統領が就任する。そのアメリカ大統領選挙の前哨戦が今日、早くも第1歩を踏み出した。共和党の候補者選びがアイオワ州で始まり、抜きん出た候補者がいない中で保守派のロムニー前マサチューセッツ州知事が僅差で、サントラム元上院議員を破った。その僅差たるや、サントラム氏の得票30,007票に対して、ロムニー氏の得票は30,015票でその差は僅か8票だった。大統領選挙史上最少差だという。評論家は現状打破を唱える横並びの6人の候補者に対して、僅差であるにせよ、大きな支持基盤のない保守派のロムニー氏が勝ったことでロムニー氏が一気に選挙戦で有利に立つだろうとコメントしている。
世界のトップが入れ替わる可能性はあるが、果たして3ヶ月前に交替したばかりの日本のトップが替わることはあるだろうか。野田首相の消費増税の提案に対して、民主党内の反対派は同調しないと気勢をあげ、野党各党は話しあいに応じようともしない。自民党なんか消費税10%値上げを総選挙で謳っていながら、民主党は総選挙で消費税値上げに反対していたのに約束を破ったので、その点について国民の審判を仰ぐよう、国会解散・総選挙を求めていくと自己本位の主張をしている。仮にそうだとすると、日本も今年は国家の最高責任者の交替という事態が考えられる。
しかし、経済も低迷し、震災復興も遅々としている中で、多額の資金と貴重な時間を費やして総選挙なんかやっている場合だろうか。これだから国民の苦労を考えない政治家は困るのだ。