1697.2012年1月5日(木) 低下する登山者のモラル

 2006年に購入したフォルクスワーゲンPOLOの部品の不具合が分ったため、リコールを行うとVW販売店から通知があったので、今日販売店へ車を持って行った。長男が生まれて以来40年ほど日産、トヨタ、そしてVWと車を乗り換えてきたが、こんなことは初めてである。修理は1時間程度で終ったが、カーテンエアバッグを装着した車の、後部側面衝突センサーの配線組み付けが不適切で、作動が遅れる恐れがあるという理由で、配線を修正してくれたようだ。これで衝突した場合に怪我を負う割合は減るようだが、それより肝心なことは車で事故を起さないことだ。今年はこれまで以上に車の運転には注意したい。

 さて、NHKの‘ニュース・ウォッチ 9’で、「山岳遭難者の救助費用を誰が払うのか」というテーマを取り上げていたが、数日前に北アルプスで4人の遭難者が救助を求めたケースなんか、北アの冬山登山の常識を逸するものだ。年末から下山予定日までの食料と燃料だけで予備を持参しておらず、下山予定日の天候が荒れて下れず、イージーにSOSを発したという些か軽率な行動だった。

 もう一件同じように軽はずみな人騒がせがあった。野沢温泉スキー場で立ち入り禁止看板を無視して禁止区域内へ入り込み、一時行方が分らず、あわや遭難か?という事件である。

 番組では、大がかりな捜索とヘリを要請した場合の多額の費用を誰が負担するのか、という課題についてレポートしていた。利(使)用者負担の原則からすれば、当然遭難者が費用を負担すべきだと思う。ところが、実態はそうではなく、救助者や地元自治体が負担させられているケースが多いようだ。保険会社の説明では、このような突発的な費用負担を軽減するための山岳保険加入者が減少傾向にあるという。登山者が何を考えているのか判然としないが、生命保険でも、海外旅行保険でも可能性があるから加入するのに、登山、況してや冬山登山なぞ最も保険利用の必要性があるのに、利用者が減るというのは、保険会社のPR面での怠慢もあると思うが、山岳界全体が山岳保険の重要性をもっと認識して啓蒙する必要があるのではないだろうか。

 昨年国民生活センターから依頼されて「月刊国民生活」4月号に海外旅行保険の必要性と、その重要性に鑑みて旅行保険に加入すべしとの持論を寄稿したが、幸い海外旅行保険の場合はかなり高い割合で旅行者が加入している。一方、山岳保険の加入者が少ない原因については、昔自分自身も登山をやっていた経験から言えば、その背景に近年携帯電話の普及で安易に助けを求める甘ったれた傾向と、責任感を欠いた登山者のモラルの低下があるからだと思う。

 素晴らしい冬山の景色を眺められる一方で、登山者のモラルは、残念ながら年々低下していることは間違いないところだろう。

2012年1月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com