1698.2012年1月6日(金) アメリカが新たな軍事戦略を発表

 講師登録をしているシニア大楽からの依頼で今年初めて「講師のための話し方講習会」で講演をした。「人気講師の講演を聞く」との触れ込みで、他の2人の講師とともに受講者の前でジョークを交え「面白く楽しい」話をしたつもりである。シニア大楽での講演は、今までにも数回行っているので要領は分っているつもりだが、今日は持ち時間が僅か20分でちょっと物足りなかった。従ってパワーポイントは使えなかった。テーマは「海外旅行の失敗あれこれ」と題して、海外で軍隊に身柄拘束された事件を含め、実際にトラブルに襲われたケースについて体験談を話した。私のタイトルの前に「抱腹絶倒」という言葉を付けてくれたので、大分期待してくれた受講者が多かったようだ。ある程度期待には応えられたのではないかと思う。
 さて、アメリカ経済の低迷ぶりは一向に回復に向わない。失業率は多少改善されたとは言え、依然として8%を上回っている。ドルの価値も下がりっ放しで、今日のドル相場も1$=77.20円内外である。この財政的に苦しい時にアメリカは、遂にイラクとアフガニスタンから駐留部隊を撤退させた。財政逼迫の折国内でも軍事費の削減を求める声が強く、財政は圧縮されてオバマ大統領は苦しい立場に追い込まれている。こんな時に昨日オバマ大統領は国防費の削減と、同時に新しい軍事戦略を発表した。今までのように2つの大規模な地域紛争に同時に対処する2正面戦略は取らないことになり、その一方で中国の軍事的脅威が増しつつあるアジア太平洋地域の戦力は増強するというのが、凡そ戦略の骨子のようである。
 実際同時多発テロ以来これまでアメリカの軍事費は年々増加する一方で、過去10年間に年間軍事費は倍増し、今や年間で7,000億$規模である。この7,000億$は円高による換算レートだと55兆円程度であるが、10年前のレートなら90兆円前後に該当する大金で、わが国の年間予算にも匹敵する。これまでこれだけの巨額の軍事費を注ぎ込み、アメリカの力と威信を世界中に示してきたが、それをこれから修正していこうというのである。表面に顕われてはいないが、中国の軍事的脅威を意識した防衛戦略は、当然日本の防衛、安全保障にも関わってくることになる。その中で、沖縄を主とするアメリカ軍の日本駐留経費が、従来以上に日本側の負担になる可能性が考えられる。沖縄普天間基地移設問題が思い通りに決着しないと、今後アメリカは日本に対して戦略的にも、財政的にも相当のプレッシャーをかけてくることが予想される。
 普天間基地移設問題が一向に前へ進まず、日米当局の間にスムーズな強調体制が取られない現状は、決して日米両国にとってプラスになるとは思えない。
 アメリカの新軍事戦略が打ち出された現在、腰の定まらない野田政権はアメリカとどう向き合っていこうというのだろうか。もっと本音を言うべき時に来ているのではないだろうか。野田首相にとっても正念場である。
 昨日伝えられたニュースであるが、アメリカのフィルム製造会社のイーストマン・コダック社がニューヨーク証券取引所から上場基準について警告を受けた。あれだけ世界で名を知られて大手企業のフィルム会社も経済不況に立ち向かえなくなったのだろうか。一部には破産法の適用を受けるとも言われている。厳しい時代になったものである。

2012年1月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com