1718.2012年1月26日(木) 貿易収支、31年ぶりに赤字

 わが国の貿易収支が実に31年ぶりに赤字になったという。東日本大震災、超円高、タイの洪水等が原因で日本製品の輸出が減る一方で、原発停止に伴い火力発電燃料の輸入が大幅に増えたことが大きい。優秀な技術と生産力により優れた商品を作り出し海外へ輸出して外貨を稼ぐという、これまでの日本経済成長のモデルが頓挫することになった。昨年は大震災の影響があり特殊な年だったから止むを得なかったと言い訳できないところが悩ましい。仮に生産力が回復しても原発事故で原発稼動が進まず、原発から火力発電への比重が高まり燃料の液化天然ガス(LNG)の輸入が増加する。このパターンは変わらなくなる恐れがある。そうなると貿易収支は赤字が恒常化するようになる。日本経済にとっては難しい舵取りが続く。こうなるとあの絶頂期のバブルが懐かしい。

 さて、今国会ではスッタモンダした最大眼目の消費増税素案が通過するだろう。細部においては折り合いがつかないが、与野党ともに大筋で合意に達しているようだ。われわれ国民としては、これで2014年に8%、翌15年には10%へ増税されると否応なく納得させられていたところ、民主党はまたおかしなことを考えている。14年4月に消費税を上げる際に、低所得層を中心に一人当たり1万円の現金支給を検討しているという。まったく分らないわけでもないが、漸く成案となる新規法律にどうして特例までセットする必要があるのだろうか。自分たちの都合だけでどうして法律を安易に考えるのだろうか。制度が益々複雑になるばかりである。それどころかバラマキであることは間違いない。低所得層を救済するなら、新法と抱き合わせで適用するのではなく、別の手立てを考えるべきではないか。これで数百万人に支給して、その予算規模は1000億円にもなる。簡単に支出をしてしまうところに、国の借金が知らず知らず巨額に溜ってしまった原因がある。

 まったく今の政治家の考えることは、選挙対策のためには自分たちで作った法律をザル法にすることまでやってのける。先のことなぞ何も考えようとしない馬鹿な政治家どもには最早つけるべき薬がない。

2012年1月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com