1719.2012年1月27日(金) 貿易赤字、議事録サボ、あまり良い話はない。

 今日の底冷えする寒さは都心で氷点下を記録して今冬2度目の冬日となった。今年はとりわけ寒い日が続く。先週の積雪でも分かるように全国的に積雪量が多く、雪国では除雪費用が底をついて補正予算を組んだ都市も現れた。

 日本の貿易収支が31年ぶりの赤字になったとのビッグニュースが流れたと思ったら、追いかけるように家電メーカー・NECが2012年度3月期決算で当初予想の150億円の黒字から、一転して連結最終損益は1000億円という大幅な赤字で無配になる見通しである。これに伴い従業員5千人の削減を発表した。

 同時に、これまで比較的好調を維持してきたゲームメーカーの任天堂も前期は776億円の黒字だったが、業績が悪化して連結最終損益で650億円の赤字を予想している。

 これまで日本産業の好調を牽引してきた自動車業界もトヨタがGMに販売数トップの座を奪い返され、韓国の現代自動車、起亜自動車の追撃を受けている。日本車のシェアは徐々に侵食され、前途は楽観を許されない。因みに現代自動車の2011年12月期連結純利益は対前期35%増の5600億円で、同時期の日産自動車の2900億円のほぼ2倍である。アジアの市場では日本車が韓国車に脅かされ、確実にマーケットを侵されている。

 尤も日本の致命的な円高に対して韓国ではウォンが安過ぎる傾向にあり、輸出分野では恩恵に浴しているものの国内では物価が高騰して国民は悲鳴を上げているとのニュースも聞かれる。日本がどれほど円高に耐えられるか、一方で韓国がどれだけウォン安に我慢できるか、注目すべきところだろう。

 日本にとっては、大震災、超円高、そしてタイの洪水による影響を今後どれだけ克服し得るかが再建のカギを握ることになる。何とか一頑張りして再び元気の良かった日本経済に再生してもらいたいものである。

 さて、またぞろ新党結成の情報である。どこまで本当なのか分らないが、それでも今朝の朝日新聞一面トップには「石原新党、3月発足」とある。保守勢力の再結集を目指して、亀井静香・国民新党代表と石原慎太郎・東京都知事が会談して石原知事を党首とする新党合意がなったという。政界の第3極を目指してこれまでいくつか政治政党が誕生したが、「みんなの党」以外はあまり大きな勢力を築いてはいない。

 一昨日石原知事、亀井代表、それに「立ち上がれ日本」の平沼赳夫代表が会談して、自民、民主の一部にも働きかけ70~80人を糾合することをひとつの目標にするということである。いずれ大阪維新の会とも連携して大きな核となることを目指す。だが、TVニュースを観ているとまだ確定したわけでもなく、石原都知事の如きは話をはぐらかして公式発表でも聞かないと信じることはできない。

 それにしても石原都知事はいつも台風の目になるようで、彼が動くと周囲が従う構図ができ上がりつつある。日本のリーダーとして橋下徹市長と並んで最も頼りにされている人物になってしまった。高齢に加え横柄な対応と時折軽率な失言が飛び出るが、それでも指導者として常に名前が出てくるのはやはり頼りになるからだろう。逆に言えば、今の政治家がいかに頼りにならないかの証でもある。

 数日前に露呈した原子力災害対策本部の議事録が残されていなかった失態について取り上げたが、今日同罪の組織があることが明らかにされた。東日本大震災に関する政府の15会議のうち、何と5つだけしか議事録をつけていなかった。つまり10の会議の担当者は手を抜いていたのだ。岡田克也副総裁は、2月中をメドに記録を作るということだが、もう遅い。「忙しくて記録をとれなかった」とはとんでもない役人の言い訳だが、それでも仮に忙しいならテープに残すということも考えられたはずだ。弛みきっていたことは歴然としている。結局「忙しい」担当者が会議を軽視し、委員は自分たちの意見が捨て去られることに、何のプライドも未練もなかったという点でも相当根は深い。

 呆れた連中がわが国を勝手にいじくりまわしている構図が窺え、今更ながら役人どもの怠惰と無責任には腹が立って仕方がない。

2012年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com