昨日も取り上げた原子力事故関連の会議で議事録が取られていなかった件について、今朝の新聞に改めて大きく取り上げられている。この不手際に対して政府は公文書管理を担当する岡田克也副総理が、後追いになるが当時の議論の記録作りを行うと語ったが、発言メモもテープも残っていない現状ではこれからどれだけ正確な議事録を作ることができるのか大いに疑問である。
どうしてこういう無様なことになったのかと様々な憶測が乱れ飛んでいるが、最大の原因はそもそも民主党の稚拙な政治主導にあるようだ。そして政治主導を素直に受け入れ難い頑固な官僚が政治主導に対して、ヘソを曲げて政治家の意向に従わなかったことにあるらしい。実際民主党政権になってから、各省の政務三役会議でもその場に官僚を参加させなかった。こうなると記録不備は脱官僚に拘った民主党による不透明な政策決定システムがその背景にあったとも言える。岡田副総理は、権限もはっきりしない中で起きた事件として、緊急時で止むを得なかったと妙に官僚に理解を示し、当時の閣僚や担当者は処分しない方針を示した。これにより国民にとって財産を失うような杜撰な対応になったが、その咎を問わないことになった。あまりにも大甘ではないか。こんな生ぬるい対応だから政治家は官僚に舐められるのではないか。
とにかく議事録作成は役人たちがやるべきことだが、政治家のやらせ方が気に食わないからと言って、例えそれが国民の財産を傷つけることであってもやらないという公僕たる官僚の手前勝手な言い分は、あまりにも国民をバカにしている。そんなサボタージュを「政治主導」の政治家が「官僚主導」の役人にことさら気を遣い、責任を問わないことにしたのは、政治家の無能を世間に曝したようなものではないか。おわり・・・。
政治家が一人前になっていない例として、この期に及んで民主党は1年生議員を対象に当面週1回「法案を知ろう」という勉強会を行うことになったようだ。法律の勉強なんて政治家になる前にやるべきことではないだろうか。何を今更である。改めて考えてしまう。
総選挙では信頼できる候補者に投票する。しかし、信頼できる候補者がいない場合は、それでも最も信頼できる理想の候補者に近い人物に投票していたが、これだけ選出されている議員のレベルが低いようでは、選択肢として棄権だって止むを得ないのではないだろうか。
マス・メディアもこの点についてもっと掘り下げて報道して欲しい。併せて悪辣な官僚の役得と手抜きについてどしどし取り上げ、糾弾してもらいたい。これが政治家と官僚を最も反省させ、真面目に仕事をする責任感を持たせることにつながる。