今年度の日本ペンクラブ総会が神保町の如水会館で開かれた。事前に質問要旨をまとめて本番に備えていた。
予定通り午後3時から総会は開かれた。質問しようと思っていた、①ペン理事立候補制、及び②選挙結果の公表については理事会ですでに行わないとの結論が出されたと報告があった。これに対して追加要望として、③現行の理事30名(選挙20名、会長指名10名)を会長指名理事をなくし、全理事30名をすべて選挙で選出、または現行の会長指名理事を残すならそれは精々全理事の1~2割(1~4名)内に削減すべきとの提言をした。しかし、すべての面で現状変更を潔しとしない執行部としては受け入れ難いとのニュアンスの回答だった。他に執行部案に対して元銀行マンが、理事会における理事の出席率が悪い現状を数字を挙げ論理的に批判する意見を述べられた。これについては、欠席の多い理事が挙手をして名前を挙げられたことについて反省半分、言い訳半分の弁解をしていた。
どうも現執行部の腹には現状を変えない、つまり自分たちが傷つかず、自分たちの思うように運営して、このまま安穏な状態を維持したいとの気持ちが窺える。
私の要望に対して執行部は躍起になって反論し、話を逸らしたり、正面からまともに応えようとしないことだった。自分がどれほどペンのためにボランティア活動をしているかを綿々と語る有様である。雛壇に座った執行部役員は何とか話が大事にならないよう努めていたが、所詮自分たちの言い分を手を変え品を変えて主張するばかりだった。私も彼らの主張に対してやり方が非民主的であり、密室性に富んでいて公正ではないと厳しく反論した。
幸い私の言い分に対して会場の会員からはかなりの支持をいただいたと思っている。拍手もいただいた。これまでの総会にはない現象だと思う。特に総会閉会後のレセプションの場で未知の会員から声をかけられ、旧知の多くの会員からは、肩を叩かれ慰労していただき、いままで誰も言わなかったことを率直に発言していただいたと感謝され、力強く励ましていただいた。正に私にとっては感動ものである。
少々言い過ぎたかなと思い、レセプションの場で浅田次郎会長、下重暁子副会長、西木正明副会長に挨拶した。
親しい会員仲間からはご苦労さまと言っていただき、良かったと言って慰めてもらった。私が集中砲火を浴びていたと冷やかす御仁もいたが、他に初めてお会いした会員からは温かく理解ある言葉をいただき、有難く思っている。やはり分かっている方は分かっておられるのだと実感した。初めてお会いした私より3歳も年長の女性は、ずっと拍手をしっ放しで応援していたと嬉しいことを言っていただいた。それにしてもペンクラブの現体制であと1年をやっていこうとしていることに一抹の懸念を抱いた。
レセプションでは同じ慶応OBのスポーツ・キャスター青島健太さんに会い、野球の話からギリシャ旅行の話まで盛り上がった。青島さんと同様、新会員になった俳優の石田純一さんが壇上で紹介されたが、石田さんとは話をすることはなかった。
今日はある程度思い通りに質問することができたが、これからのペンを考えると些か憂鬱にならざるを得ない。