つい先日プロ野球・読売巨人軍の高木京介投手が野球賭博を行っていた容疑で、昨日巨人軍は高木投手をプロ野球コミッショナーに告発した。またかというのが率直な気持ちである。昨年10月3人の投手が野球賭博をやっていたことを告白して無期限出場禁止になり、球界から去って行ったばかりである。これで、球団のボス、渡辺恒雄最高顧問と球団オーナー、球団社長ら3人が責任を取って辞任することになった。友人の滝鼻くんは数年前に球団オーナーを辞めていたので、良かったと思う。それにしてもどうしてこのようなスキャンダルが球界の盟主とされる巨人軍だけに起こるのか。
これはロシア陸上界の禁止薬物使用のドーピングに似ているところもある。まだ、最終的な結論は出ていないが、下手をするとロシア陸上チームは、今夏開催されるリオ・オリンピックに出場出来なくなる可能性がある。かねてよりロシアでは陸上界ぐるみの薬物使用が噂に上っていたが、内部では薬物使用を止めるべきコーチまでが強制的に選手に使用を勧めていたというから国ぐるみ、陸上チームぐるみで確信的にドーピングを行っていたと見られても抗弁出来まい。リオ・オリンピック出場の可否は今月中にはっきりする。
他にもロシアのスポーツ界の病根とも言える事象が明らかにされた。世界反ドーピング機関(WADA)からテニス界の女王マリア・シャラポワ選手が1月の全豪オープン後のドーピング検査で陽性反応が出たと発表された。現在シャラポワ選手は暫定的に出場停止処分を受けているが、彼女が過去10年間服用していた薬物「メルドニウム」が今年1月からWADAの禁止薬品にリスト・アップされた。彼女はそれに気づかなかったと言っている。軽率ではあるが、それほど悪意のあるものではなかったように思え、同情の声も聞かれる。しかし、考えてみれば薬を服用するのは選手個人の判断であり、責任である。いくら医者が調合し大丈夫だと言っても、国際テニス連盟から危険薬物のリストが公表されたにも拘わらず、それに目もくれなかったというのは、選手としてはちょっと無神経で、軽率だったと言わざるを得ない。
今やシャラポワ選手は世界女子スポーツ界では、最も賞金を稼ぐ選手と言われ、美人でCMにも引っ張りだこだったために甘やかされ、つい油断があったのかも知れない。それにしても家族やマネージャーら周囲が誰も彼女が服用する薬物に注意を払わなかったのだろうか。この辺りはロシア・スポーツ界の無秩序な空気と闇のせいであろうか。
読売巨人軍にしても、シャラポワ選手にしても無警戒であり、お粗末である。スキャンダルが明らかになった以上しっかり再調査、身辺整理をして、正すべきは正した後堂々と太陽の下でプレイして欲しいものである。