1748.2012年2月25日(土) 橋下大阪市長の憲法9条改定は本気か?

 橋下徹・大阪市長がいろんな意味で政界のみならず、社会にも新風を吹き込んでいる。旧来の前例主義を打ち壊し、淀んでいたお役所仕事に風穴を通した。これからまだまだ斬新なプランをぶち上げ、やってくれるだろうと期待するファンは多い。だが、それだけなら良かったが、橋下市長のあまりにも性急で過激なスタイルが各方面でトラブルを引き起こしている。

 今問題になっているのは、橋下市長名入りのアンケート用紙を全大阪市職員に配布して、下手に回答をごまかしたりすれば、処分の対象になりかねないことである。この強権的なやり方は流石に公的機関からアンケート用紙配布の停止を求められている。

 そこへ昨日になって戦争放棄などを定めた憲法第9条の改定について、「2年間をかけて議論し、国民投票をやる」と言い出した。オイ!オイ!そこまで言うのかという感じである。ここまで突っ走るとは、ちょっと調子に乗りすぎじゃないかと思わざるを得ない。どうして、戦後66年間も守ってきた「戦争を絶対起こさない」「武器を永久に放棄する」の戦後日本人の守り神ともなっている固い約束ごとを、偶々ひとつの選挙区で勝ったというだけの理由で、一首長が日本憲法をたった2年間の議論だけで変えることを安易に言い出せるものだろうか。

 もちろん橋下市長の言い分は一部で評価され、持論を主張しその実現へ向けて動くことには反対するものではない。だが、仮にも国家的な大問題である憲法改定を地方選挙に勝っただけの勢いで実行されるようでは堪ったものではない。国民の皆さんに決めてもらいたいと言っているが、自分がそう思っているのに国民を前面に出す狡さも垣間見える。

 調子に乗っている橋下市長は、こういう不遜なことも言っている。「国民が(9条維持して)自己犠牲はしないことを選ぶなら、そういう国でやっていけばいい。それなら僕はこの国と別のところに住もうと思う」と論理のすり替えをしながら、手前勝手なゴタクを述べている。それならどうぞ別のところに住んで下さいと言いたい気になる。

 ともかく憲法改定を考えるなら、時間をかけて各界各層の意見を斟酌して、喧々諤々の議論を交わしてうえで正面切って行うべきで、選挙の一時的な勢いだけでやるべきでないことははっきりしている。

2012年2月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com