今まであまり気にもせずその結果をそのまま信用していたが、現在争われているアメリカ大統領選挙の投票結果がかなり粗雑に扱われ、大分いい加減だとは意外だった。日本テレビのワシントン特派員が現地から中継放送ではっきり述べている。それに応えて森本敏・拓殖大教授が更に生臭い大統領選挙戦の内情を語っていた。
そういえば、2004年の共和党ブッシュ氏と民主党ゴア氏の間で争われた大統領選で雌雄を決する最後の決戦、大票田のフロリダ州でブッシュ側から再計算の申し出があって投票数を数え直した結果、ブッシュ氏が逆転勝ちして大統領に当選した。今年もある州の予備選で獲得票数を数え直した結果ロムニー氏からサントラム氏へどんでん返しとなったケースもある。日本ではまず考えられないことではあるが、それが現実だったとすると民主主義の本家を名乗るアメリカの大統領もいい加減なルールの下に選出され、僭越にも世界を仕切っているということになろうか。これでは発展途上国などの汚職や、不正がらみの選挙を批判する資格なんてないのではないだろうか。
しかもこの選挙に投じられた資金もケタ違いの巨額に上る。更に驚くのは、相手候補への鋭く、手厳しい中傷、非難である。同じ共和党内で喧々諤々中傷合戦をやっているのである。相手候補を徹底的にやっつけるテレビCMまで作って流している。徹底して相手の欠点をあげつらい攻撃している。そこには相手候補への思いやりとか配慮なぞはさらさら見られない。その分当然ながら政策論争の時間がない。共和党内部での醜い争いがエスカレートして、結果的に民主党に有利に動きつつある。つまりこのまま時間が経過すれば、オバマ大統領に利があると言われている。
昨日行われた予備選の雌雄を決するとまで言われるスーパー・チューズデーの結果は、10州のうち6州を制したフロント・ランナーのロムニー氏が肉薄するサントラム氏を一歩リードして、そのまま優位を保っている。今後どういう流れになるか、わが国にとっても影響があるだけにあまり汚い手口で当選するような大統領とお付き合いするのだけは御免蒙りたい。