1772.2012年3月20日(火) 歴史的遺産や行事を広角度で見てみよう。

 今日はお彼岸のお中日である。恐らく一昨日の日曜日以上にお墓参りに行く人々が多かったのではないだろうか。小学校を卒業したばかりの孫に一昨日お彼岸について話をした。昼と夜の時間が同じになることに興味を示してくれた。

 実は日本の初等教育では宇宙、天体、歴史上の暦やしきたりなどについてあまり実務的に教えることがないような気がする。これまで文科省の教員海外教育視察団にお伴した経験から考えられることは、アメリカではどの小学校の図書館にも月刊誌「NATIONAL GEOGRAPHIC」を取り揃えて、子どもたちに自然とか、宇宙について分かりやすく教えていたように思われることである。

 その結果はどうなっているか。最近私自身各地で講師を務める機会が多いが、教育機関の受講生でも「地球が誕生してから46億年」とか、「地球一周の距離は4万km」を即答できる人は極めて数少ない。アメリカでは小学生でも知っているような地勢学の基礎知識である。

 お彼岸について薀蓄を傾けるなら、世界遺産の講義の中でしばしば紹介するのは、アスワン・ダム近くのアブ・シンベル神殿の岩屋の奥に鎮座するラムゼス王の顔面には、お彼岸のお中日に正面から太陽光線が当たる仕掛けになっていることである。また、メキシコのユカタン半島にあるチチェン・イッツァの祭壇の正面の階段の右側手すりには、お彼岸の決まった時刻になると大蛇の影が現れ、上段から下段へ向かって天から蛇が下ってくるように見える。これも古代人が宗教的な暗示から考え出した仕組みであるが、彼らの知恵には驚かされる。

こういう不思議で人智を尽くした工夫が地球上にはたくさんある。現地へ行かないとあまり関心を呼ばないかも知れないが、お彼岸の時ぐらい古代人の知恵について考えてみるのも悪くないと思う。

 一般にこういう文化的な価値のある遺産の名前を広く知らしめるばかりでなく、その歴史、文化、伝統、風俗などを絡ませた価値というものを日本の教育でももっと啓蒙した方が良いのではないかと思う。

 さて、今日午後銀座のナイトクラブで催された慶応‘KBRタンゴ・アンサンブルOB’のプチ・コンサートに、ゼミの利光さんご夫妻と島田さんご夫妻からお誘いを受け、妻ともども鑑賞に出かけた。クラブなんてもう長い間行ったことはないが、今日は妖しいムードもなく貸切の真面目なコンサートなので女性客も多かった。40名程度のお客も楽しいタンゴ演奏を楽しんでおられたようだった。たまにはこういう催しも楽しいものだ。

2012年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com