1774.2012年3月22日(木) 石原都知事の放言と東京都予算案

 昨日都立の首都大学東京で卒業式が行われ、来賓として出席した石原慎太郎都知事が、祝辞の中で言わなくても良さそうな余計な言葉を発したようだ。私にとって高校の先輩である石原都知事の失言と放言にはこれまで度々面食らったことがあるが、今回もどれだけ本音を述べたのか。都知事は自分の信念として持論を述べたようだが、卒業生に対して中国を「シナ」と呼ばなけりゃだめだなんて子どもではあるまいに、公のお祝いの席で敢えて言うべき言葉だろうか。確かに‘CHINA’はフランス語流に発音すれば、チーナ、或いはシーナである。だが、この言葉は「支那」と呼ばれた戦時中に日本軍が中国へ侵略した歴史から中国人にはあまり良いイメージでは受けとられておらず、相手の中国人が嫌がる言葉を敢えてその中国人に対してぶつけるのは非礼であるし、大人の対応ではないと考えるが、作家でもある都知事はどう考えておられるのだろうか。

 先日の河村たかし・名古屋市長が姉妹提携都市・南京市から来られた南京市の要人らに対する「南京虐殺事件はなかったのではないか」との軽率な発言にしても、残念ながら名古屋と南京両市の友好関係が損なわれ、今年日中国交回復40周年の記念行事も一部には中止されることになってしまった。トップ自らがこれまで築いてきた友好関係をいとも簡単にぶち壊しているのである。

 石原都知事にせよ、河村名古屋市長にせよ、自分の考えとして持論を堅持しているのを詮索することはないが、影響力のある自治体のトップとして自分の考えが正しいかのような、押し付けがましい非礼な発言は自重すべきであるし、誤解されて受け取られないようその発言は慎重であるべきである。

 やや軽率の謗りを免れない両氏には、いつもながら周囲への影響を慮る配慮が少々足りなさ過ぎると思う。

 さて、その石原都知事の平成24年度東京都予算案が記載された「都議会自民党活動リポート」が配布された。

 自分が住んでいる東京都の予算について、実際には普段あまり関心を持つことはないが、よくよく目を通してみるとあまりにも巨額なその予算額に改めて驚く。一般会計が6兆1490億円で、総額は特別会計と公営企業会計(この意味するところがまったく分からない)を加えると、何と11兆7742兆円に達するという。ノルウェーの今年度の予算が12.2兆円、インドネシアが12.3兆円とほぼ同じというのだから、東京都の予算規模がいかに桁外れであるかが分かろうというものである。

 それでも東京都は恵まれている方だろう。国が借金漬けになって税収が支出の半分にも達しない苦しい状態の中で、東京都は都税だけで支出の約2/3を賄っている。これなら予算編成の苦労はあまりないのではないか。2回も続けてオリンピック開催地として立候補することができるわけである。開催地立候補から降りた苦しい財務状況のローマ市に引き比べてみると東京都の豊かな懐具合が分かる。こんなところからも石原都知事の傍若無人で傲慢な態度が現れてくるのだろうか。

2012年3月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com