1775.2012年3月23日(金) 大飯原発は再稼動への道を歩むのか。

 今朝食事中、先日お会いした出版ニュース社・清田義昭社長から、次号の出版総合誌「出版ニュース」に福島原発事故独立検証委員会が発行したばかりの「調査・検証報告書」について書評を書いて欲しいと電話で依頼があった。400字詰め原稿用紙で6枚、28日が締め切りとのことだった。旬刊誌「出版ニュース」はプロの出版関係者を対象にした権威ある雑誌なので、気持ちはそそられたが、あまりにも時間が足りない。同報告書は私自身まだ冒頭の北澤宏一委員長のメッセージしか目を通しておらず、今から400頁の専門文書を読み通す時間がなく残念ながら辞退させていただいた。

 同報告書については、専門的にして技術的な問題点が当事者へのインタビューによって明らかにされていると言われているが、まだ読んでいないので直感的に言えば、委員長のメッセージの中に大まかな問題点はすべて包含されているように思う。

 午後になって再び清田社長から電話をいただき、今度は清田社長から先日私がお願いした件について回答をいただいた。1週間前ベオグラードの山崎洋さんから、彼が以前故田中一生氏と共訳したセルビアの抒情詩人ニェゴシュの「山の花環」の翻訳書を、できれば文庫本で発行したいので、どこか出版社にコネがないかと訊ねられて清田社長にとっかかりとルートについてお願いした。

 改めて「山の花環」について教えられた。これはかなり大部な作品で文庫本に収めるのは難しいのではないかということと、清田社長がセルビアに詳しい知り合いの学者に尋ねてくれた限りでは、作品自体は中々素晴らしいので発行する価値があるとの回答をいただいた。早速ベオグラードの山崎さんに感想をメール送信して返事を待つことにした。

 さて、経産省原子力安全・保安院が妥当とした福井県大飯原発3、4号機のストレステストの結果を今日原子力安全委員会は了承した。尤も同委員会の斑目春樹委員長は必ずしも安全とはみなしておらず、一次評価だけでは安全性の評価は不十分として、二次評価の確実な実施を求めた。一方安全性を総合的に判断し、GOとなれば地元に再稼動への理解を求め、更にOKとなればいよいよ再稼動となる。果たして再稼動となるのかどうか、まだ問題点が山積しているが、水面下で再稼動派と脱原発派の熾烈な綱引きが始まるのだろう。今日の判断によって、原発再稼動派が力を得て再稼動への動きが進むと、いずれ将来再び想定外のトラブルにぶち当たることは目に見えている。そうならないことを願わずにはいられない。「絶対安全」ということは絶対あり得ないのだから。

2012年3月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com