1789.2012年4月6日(金) 「なんも言えねぇ」と「応援よろしくお願いします」

 一昨日の本ブログでべた褒めした水泳の北島康介選手が、昨日の日本選手権平泳ぎ100mに続き、今日も平泳ぎ200m決勝で優勝した。これでロンドン五輪では、シドニー五輪以来4回連続して平泳ぎ100m、200mの2種目に出場する。またまたたいしたものである。

 北京五輪で金メダルを獲得した直後のインタビューで「なんも言えねぇ」の名セリフを口走った北島選手は、今日同じそのセリフを意識的に喋っていたようだった。昨日の日経紙コラム「春秋」でも、「いまだ氾濫するのが、スポーツ選手が猫も杓子も口にする『応援よろしくお願いします』の常套句である」と書いて、それに比べて北島選手の言葉を個性的で、歯切れの良い言葉だと褒めちぎっている。普段あまり深く考えないスポーツ選手の陳腐で住所不定の言葉に比べて、確かに北島選手の言葉はすかっとしている。

 実際この「応援よろしくお願いします」という言葉を聞くとがっくりする。一つ覚えにならない言葉の例として、もうひとつ北島選手の「チョー気持ちいい」を挙げている。北島選手の言葉には、ありきたりのスポーツ選手とは違う、自分の力を発揮できる底力が秘められているような気がする。

 話は違うが、それに引き比べて、NHKアナウンサーの優勝選手へのインタビューは相も変わらずお粗末で、成長が見られず寂しい。インタビュアーが度々「ありがとうございました」と言っていたが、これは完全な間違い。「ありがとう」に過去形はない。時制に関係ない「ありがとう」に丁寧語の「ございます」が付いて「ありがとうございます」になっただけである。

 あれは8年前のアテネ五輪の直後だった。NHKは五輪の間中毎度インタビューの度に「ありがとうございました」と言っていたので、NHKに一度注意したところ納得してくれ、アナウンス室担当部長が今後は極力気をつけると言っていた(HPの「論稿・エッセイ」4-19「アテネ五輪に見る表彰選手への低レベルインタビュー」参照)が、「喉元過ぎれば暑さを忘れる」の例え通り、当初は「ありがとうございます」と軌道修正されたが、すぐ「ありがとうございました」へ先祖帰りした。お役所的なNHKには反省の様子はなく今では元の木阿弥である。東電にしろ、NHKにしろ、国策会社的組織には懲りるということがなく、つくづく駄目だなぁと思う。

 さて、消費税増税について、政府・民主党は閣議決定をしたが、この問題で右往左往している。更に別なところで火の気が立った。民主党と連立政権を組んでいる国民新党が党内部で対立した。ついに亀井静香代表と亀井亜紀子政調会長が、他の6人の国会議員から除名されることになってしまった。党の代表が決めたんだから、党は連立解消だと公言していた亀井代表が切られた。何か逆な感じである。前2人は、消費税値上げに反対して連立を解消すると言い、閣僚である自見庄三郎郵政改革担当大臣、下地幹事長らは値上げに賛成で連立政権に留まると主張して、ここ一両日は話し合いが続けられていたが、結局袂を分かつことになった。

 最終的に苦渋の選択と言いながら国民新党は党代表と政調会長を除名するとの結論を出した。それを受けて亀井代表は自発的に党代表のまま離党すると言い出した。内輪揉めもこうなるとよく分からない。その亀井氏は新党設立を探るという。また、政治ゴッコである。これでまた間違いなく政治が停滞するだろう。

2012年4月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com