3321.2016年6月16日(木) イチロー選手、ピート・ローズを超える。

 米大リーグ(MLB)「マイアミ・マーリンズ」のイチロー選手が、対サンディエゴ・パドレス戦で日米通算4257本目のヒットを打ち、MLB記録を打ち立てたピート・ローズ選手の生涯記録4256本を追い越した。ただ、ローズの記録はすべてMLBで記録した生涯記録であるが、イチローのそれは日本のプロ野球界とMLBで記録したヒット数を合算したもので、その価値と偉大さは比較しようがない。実際記録を破られたローズ自身自らのMLB記録に誇りを持っているせいと、日本のレベルが低いと考えていることもあり、イチローの安打4257本に日本の記録が加えられていることを大分過小評価している。それでも少しはアメリカのファンも祝福してくれているようで、最近はイチローが打席に立つ度にスコア・ボードに通算安打数が表示されたり、ヒット数を書き込むような特殊なTシャツが販売され人気を集めている。

 それにしてもピート・ローズはよほど悔しいのか、一向にイチローの記録を称賛する気持ちがないようだ。MLBと日本野球界の記録を比較すること自体意味がないと誰もが分かっていることなので、ローズ選手の記録が2番手に落ちることではない。それ故ここは日本から1人でMLBへやって来て頑張ってプレイしMLBで3000本近いヒットを打っている好打者イチローに、少しは華を持たせてはどうだろうか。イチローもローズの気持ちを知っていてローズが喜んでくれていたら喜びは全然違うと言っている。些か狭量なピート・ローズ選手の対応が残念でならない。

 確かにピート・ローズ選手は最多試合出場記録と最多安打記録を持った偉大な選手だったが、残念なことに監督在任中に何度か野球賭博を行い、大リーグ野球機構から球界永久追放処分を受け、幾度となく処分を解除してくれるよう機構に申請したが、今以って処分は解除されていない。

 ピート・ローズ選手と言えば思い出すことがある。1980年9月、偶々文部省教員海外派遣団にお供して1カ月間欧米の教育施設を訪れた時、フィラデルフィアに滞在した。休日に先生たちとホテル前から市電に乗ってローズ選手の所属する「フィラデルフィア・フィリーズ」のホームグラウンドへ行き、ピート・ローズの試合を観戦したことがある。「シンシナチ・レッズ」時代の全盛期を過ぎ、当時39歳のローズはやや峠を越えていたが、それでもその前年までは打率3割台の記録を残していた。トレードマークのヘッド・スライディングは健在で土地のファンを沸かせ、打席に立つとスタンドからはピートの「ト」の音が聞こえないくらい、「ピー!ピー!ピー!」というスタンドを揺るがすようなあまりの歓声に度肝を抜かれたものだった。

 イチローはすでに42歳だが、トレーニングを怠らず、これから何年プレイできるのかは分からないが、海外で活躍する選手の中でも日本人の誇りとされる選手である。試合後の記者会見も謙虚でありながらユニークだった。一層の活躍を願っている。

2016年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com