1798.2012年4月15日(日) 校歌の歌詞は時代とともに変わる?

 今朝のNHKテレビで興味深いニュースを耳にした。熊本県立熊本第一高校の校歌歌詞を変更する、しないで揉めているらしい。熊本県の公立高校としては、何といっても済々黌高校が有名だが、熊本高校もよく知られている。話題の高校は、熊本第一高校と呼ばれ、戦後は男女共学校となったが元熊本女子師範学校だった前歴もあり、女子校の伝統を受け継いできたらしい。そのため、最近34年間は男子生徒が一人もいなかった。それが今年4月に男子生徒が一挙に70名も入学してきて、これまで問題にもならなかった些細な?校歌の歌詞が波紋を呼んでいる。

 歌詞の一部に乙女ならではの「純潔」とか、「清き操」という言葉が歌われていることが槍玉に挙がっているらしい。男子生徒が在籍しない時は問題にもならなかったが、久しぶりに男子生徒が入学した機に乗じて年配の男子卒業生が騒ぎ立てているようである。確かに言葉は異なものに映るが、これを変えることには女子生徒から反対がある。作詞は勝承夫、作曲は名曲「平城山」を作曲した平井康三郎である。女子卒業生が入学した時この校歌を聞いて素晴らしいと思ったと思いのたけを述べていたので、きっと素晴らしい校歌なのだろう。だが、この判断は難しいと思う。

 ニュースの結びでNHKアナが新しい4番か、5番を作ってみてはどうでしょうかと提言していたが、妥協案として耳を傾ける必要があるのではないだろうか。

 校歌の歌詞については、母校湘南高校の歌詞にも気になる箇所がある。しかし、この校歌は最初から最後まで歌詞、メロディーはともに素晴らしいし、私自身気に入っている。北原白秋作詞、山田耕筰作曲の名曲で、福岡県柳川市内にある北原白秋記念館内のショーケースにも歌詞と譜面が収められている。その歌詞3番の真ん中辺りに、♪~剛健 ここに勢ふ 我等 胆大に 意図は壮なり 『立身報国』 期せよ 友よ~♪というくだりがある。この民主主義の時代に立身報国を目指すのかと入学式で最初に聴いた時、エッ?と些か面食らった。いかにも戦前の軍国時代のイメージが強くて白秋先生には申し訳ないが、やや違和感を憶えた。周囲の友人に聞いてみても格別気にしている様子は見えない。実際その該当部分を現代風に変えるのが良いのかどうか判断が難しいところだが、私にはどうしても引っかかる。

 ことほど左様に時代が変われば、歌詞もそぐわなくなるのもある面で致し方ないのかなと思う。

2012年4月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com