今日は憲法記念日である。民放はいざ知らず、流石にNHK・BSは真面目に現行憲法以前の大日本帝国憲法の誕生秘話を専門家による座談会形式で、映像を交えて分かりやすく伝えていた。帝国憲法制定につき、伊藤博文が国家と国民のあるべき姿、つまり義務と権利をどう憲法に採り入れるべきかという点に腐心した経緯と背景を克明に映していた。旧憲法誕生の裏面史を改めて知った。
今日も朝から激しい雨が降り続く中を母校・湘南高校へ出かけた。県立静岡高校ラグビー部が練習試合のためバスを仕立ててやって来た。前日からの降雨でグランド・コンディションを心配したが、予定通り試合を行うと連絡があったので車ででかけた。
試合は31-12(トライ数5-2)で昨年負けたリベンジを果たした。悪コンディションにも拘わらず、幸い選手たちにも大した怪我もなく練習試合、親善試合としての役目は果たせたと思う。その後校内セミナーハウスで開かれた両校関係者参加のファンクションでレフェリーを務めてくれた相田真治氏の話を聞いた。相田さんは高校生にラグビー、ラグビーのルールを知ってもらおうとの気持ちで笛を吹いたと言っておられた。それが一時退場だったり、アドヴァンテージをしっかり見届けるレフェリングだと仰っておられた。高校生にも参考になる話だったと思う。
相田さんは、これまで日本ラグビー界のトップ・レフェリーだったが、若手育成の立場から51歳になったのを機会に昨年度限りでA級国際試合では笛を吹くことを退いたという。今年の日本選手権準決勝で最後の試合のノーサイド後に両軍フィフティーンから胴上げされたというから、選手からもレフェリングを信頼されていたのだ。その他にも創立130年という伝統校・静岡高の先生からも、同校校歌の裏話など有意義な話を伺った。高校生のこういう交流は我々の時代にはなかったが、昨今は私立校のみならず、公立校でも校外でのいろいろな交流を広げている。羨ましい限りである。多感な高校生たちにとって、こういう機会は貴重な経験になると思う。ラグビー部OB会としても陰ながら支援していければ良いと思う。
さて、先月末中国の盲目の人権活動家・陳光誠氏が軟禁されていた山東省の実家から脱出し、北京のアメリカ大使館に駆け込み身柄を保護されたニュースが世間の注目を集めた。何でも陳氏が一人っ子政策によって生まれた二人目の子どもを中国は強制的に妊娠中絶させていると再三告発したことから、中国政府の監視が厳しくなり故郷を逃げ出した。いずれにせよ米中両国にとって外交上の難しい問題になるのは必至と見られているが、敢えてアメリカは中国の非民主化、反人権政策を国際社会で糾弾するためにも、中国から非難を浴びせられるのを承知のうえで陳氏に救済の手を差し伸べたように見えた。
それが、昨日陳氏が米大使に付き添われ北京市内の病院へ入院した辺りから様子がおかしくなった。米中政府間で充分話し合った末に妥協が成立してそうなったと見られていた。陳氏はアメリカへの亡命を申し出ず、家族と中国に留まることを望んだと伝えられた。だが、その両国の公式ステートメントにはどこか奥歯に物が挟まっているような印象を受けた。両国とも問題の解決を急ぎ過ぎていると受け取られている。
案の定陳氏が病院でアメリカ人記者団に自分は家族とともにアメリカへ亡命したいともらしたのだ。米大使館を追い出されるように入院させられた陳氏は、アメリカの対応に失望したとも述べた。これによって事態がこじれる恐れが出てきた。今日米中戦略・経済対話が開かれたが、早くもこの問題で両国首脳の応酬が始まった。現時点では陳氏を救った形のアメリカが逆に陳氏を欺いたとの報道がなされている。米中両国はこの問題にどう決着をつけるつもりなのか?