実に88年ぶりにアメリカの現職大統領がキューバを公式訪問した。アメリカとキューバの外交関係は、1959年それまでアメリカ寄りだったキューバのバチスタ政権をキューバ革命でフィデル・カストロ将軍が同志チェ・ゲバラらとともに打倒して途切れた。61年両国の外交関係は閉ざされ、キューバは旧ソ連の支援を受けて社会主義国家を宣言した。翌62年当時のケネディ大統領はキューバに旧ソ連軍艦の寄港をさせないために海上を封鎖して、アメリカはキューバを支援していた旧ソ連と一触即発の危機に直面し、核戦争の危険をも予感させた。
いずれも学生時代の出来事でこれらの事件について、しばしば友人らと議論を戦わせたものである。当時は、独裁政治で国民をドン底に追い込んだバチスタ政権を、チェ・ゲバラらとともに倒したことでカストロは一躍キューバの救世主として英雄となり、その一方バチスタ政権を支援していたケネディ大統領は悪玉となった。同時に、キューバ社会主義と旧ソ連との蜜月は、東西対立時代の象徴的な同盟国関係となり、ソ連は革命国家キューバを援助して、それは東欧諸国からももてはやされた。東西対立当時東ドイツを訪れた時、珍しく外国人の姿を見たが、彼らはほとんどキューバからの留学生だった。
いま振り返ると、ケネディはその後まもなくして凶弾に倒れ、一方でカリスマ的存在感を誇るカストロは高齢のため実弟のラウル・カストロ国家評議会議長に現在その座を譲っている。半世紀余りを経てつくづく時の流れを感じる。
すでに両国の外交関係は昨年7月に一応よりを戻した。だが、両国内にはお互いの再接近を警戒する声も強いのは事実である。果たして本当の意味で両国は気持ちを融合することが出来るのか、暫時じっくり見守る必要があると思う。
昨日オバマ大統領が夫人と2人の娘を伴ってハバナ空港に足を下ろした時、そこには南国キューバには似つかわしくない雨が降っていた。雨降って地固まると行くか。
さて、昨日から選抜高校野球が阪神甲子園球場で開催されている。今日の第2試合は、中学時代に通学していた京都・平安中学の付属校・龍谷大平安高校が高知・明徳義塾高校を7-1で破り、2回戦へ進出した。龍谷大平安にとって甲子園で97勝目である。ゲームセットの後甲子園内に流れる平安高校歌を耳にしながら、2年ぶりに校歌、♪紫匂う雲のかなた~♪を思わず口ずさんだ。
一昨年は選抜初優勝を飾ったが、今年はどこまで勝ち進むやら今から楽しみにしている。