1825.2012年5月12日(土) 電力料金値上げはそのまま認めて良いのか。

 今年はフルブライト奨学金制度による第1回留学生が訪米してから丁度60周年に当たる記念すべき年で、フルブライト・ジャパン(日米教育委員会)がいろいろなプログラムを企画している。そのひとつに今月26日に津田塾大学千駄ヶ谷キャンパス・津田ホールで開催される「あしたを拓く」と題する公開シンポジウムがある。4部構成から成り、第1部が高校先輩のノーベル賞受賞者・根岸英一博士による基調講演で、第2部が根岸博士、アメリカ大使館公使、高校生・大学生らのパネリストによるシンポジウム「若者は発言する。あなたはどう答える?」である。このシンポジウムについては、第1期生である山本澄子さんから、ご案内をいただいたので、早速午前の第1部と第2部を申し込み登録した。楽しみにしたい。

 さて、昨日東京電力が約10%の電力料金値上げを申請した。昨年12月同社西沢俊夫社長が事業者として値上げは権利であり義務であると高い所から不遜な値上げ理由を述べて、国民のみならず政府からも猛反発を招き値上げは頓挫してしまった。今度はよほど懲りたのか、おそるおそる腰を低くして値上げ内容にも特別な理由付けをして値上げを申請した。その中身は、「時間帯別料金」を採用して使用量の多い日中の料金を上げて、深夜料金を割り引くというものである。

 しかし、こういう姑息な値上げという手段では、次に来るのはやはり値上げだけで、時間帯をいじくり回して効果的な料金体系を実施することになる。所詮苦肉の策で基本的には電力使用量の多い夏に発電絶対量が少ないことが原因である。ざっくり言えば、発電量を増やすか、消費量を減らすしか方法はない。原発が稼動しなくなったことで、わが国の総電力量の1/3が失われたわけで、現状では他のエネルギー発電量で少し増やし、節電するしか術はない。

 ただ、節電を言われている割には、節電をすれば何とか間に合ってしまう摩訶不思議がある。昨年の例を調べてみれば分かる。足りてしまうのである。結局数字的根拠が、東電のいい加減な計算根拠に基づいているために、狼少年になっていることである。絶対量が不足しているのは現実であるが、東電自体の合理化はどうなっているのか。速やかに所有資産を売却すると公約しながら、まだほんの2割程度しか約束を果たしていない。台風が通り過ぎるのを待って、売却は口約束だけで済まそうとしているように見える。今年の夏も節電が叫ばれているが、実際にはどのくらい不足するのか正確なことは分からない。夏が終わったら「親方日の丸会社」=「東京電力株式会社」のいい加減さが多分はっきりするだろう。

2012年5月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com