またもアメリカで銃乱射により50人が死亡するという史上最悪のテロ事件が起きた。このところパリやブリュッセルのようなヨーロッパの中核都市でも、イスラム過激派によるテロ事件が頻発するようになったが、今度のアメリカのテロはフロリダ州オーランドという気候温暖の地で起きただけに俄かには信じられなかった。現場はゲイが集まるナイトクラブで起きたが、犯人は同性愛者を嫌っていたらしい。オーランドはカリフォルニアのアナハイムと並んでディズニーの人気施設であるディズニー・ワールドやEPCOT・CENTERが集まる観光地であるが、事件の起きたこの界隈は治安が悪く、つい最近も女性歌手がサイン中にファンから銃を撃たれて殺された。
かつて私も数回オーランドを訪れたことがあるが、以前はあまり危険だとの情報はなく、長男にも新婚旅行に勧めて行かせた都市である。その温暖の地・オーランドでこのような残虐な事件が起きるとは、今更ながらアメリカの武器社会の恐ろしさを知らされた思いである。
事件を聞いて真っ先に思ったことは、その原因は貧困、差別、テロやイスラム系移民によるものではなく銃所有支持の問題であるということである。度々繰り返されるアメリカ国内における銃乱射事件は、市民が許可さえもらえれば銃を容易に持てる法律が原因である。昨年来オバマ大統領が事件の度に先進国で自由に銃所有が認められているのはアメリカだけで、銃規制が必要だと度々訴えているが、共和党を中心に銃規制に反対の声が強く、国内における銃規制の動きは一向に進まない。
今年の大統領選でも共和党のトランプ候補は銃規制に反対しており、むしろイスラム系諸国からの移民流入に規制を課そうとしている。特に射殺された犯人がISとの関係をほのめかしていたこととアフガニスタン出身移民であることを理由に、選挙運動でイスラム系移民の制限を訴えたことは自らの言い分が正しかったと主張する有様である。オバマ大統領、クリントン候補は銃規制をアピールしているが、アメリカ社会には身を守るために銃は必要との声は依然として根強くある。これから大統領選本選が過熱化するに連れ、銃規制問題が大きな焦点になるだろう。
ただ、アメリカ国民に言っておきたいことは、彼らは今もって西部開拓時代の銃で片を付けるというような時代錯誤的で、他国から支持されない自己防衛的な考えに凝り固まっていて、そんな考えはアメリカ自身のためにも早く捨て去るべきだろう。
さて、今日は舛添要一・東京都知事の都議会集中審議が各派都議と一問一答による形式で延々と続けられ、私も3時間ばかり観ていたが、知事を辞任すべきとの度々の質問には、指摘や反省を踏まえ胸に刻んで職務に励んでいきたいとの繰り返しで、まったく納得させることは出来なかった。
最後に給料をすべて返上してリオ・オリンピックまでこのまま知事職に留まったうえで、9月に都議会が不信任案を可決するなら、その時点で辞めるようなことを言っていた。議場では失笑を買っていたようだ。すべて自分本位にしか物事を考えられない人である。とても知事としての資質が備わっているとは思えない。