1849.2012年6月5日(火) ペトラ遺跡観光は疲れるが、素晴らしい。

 夕べオプショナル・ツアーでペトラ遺跡でも最も知られた宝物殿エル・カズネを見学したが、真っ暗闇の中を幽かに写真で知るエル・カズネを見ただけだった。今日は期待感に胸を膨らませて朝8時にホテルを歩いて出た。まずそのエル・カズネを目指す。本物を間近に見てみると、何とも言えない厳かな気持ちに捉われる。更にその奥先へ向かう。岩山の階段が990段もあることから、昨日来やや疲れ気味でもあったので、ロバに乗ることにした。ロバの背で振り落とされまいと必死になってしがみついていたが、細い岩山を登り下を見れば谷底も見え、少々怖い感じもした。帰りもロバに乗っても良かったのだが、岩山の下りには流石に恐れをなし危険を避け止めることにした。

 ペトラ遺跡というと決まってエル・カズネの絵が紹介されるが、周辺渓谷跡に残された数々のお墓、神殿、その他の古代ナバテア人の遺跡と環境が素晴らしい。中には排水溝や彫刻の残滓もある。まだまだ考古学上貴重な遺跡が発掘される可能性を秘めているが、予算的に苦しくて思うように手が回らないようだ。

 エル・カズネから奥入った岩山は登るに従って景色が良くなってくる。アメリカのグランド・キャニオンと比較してもスケールでこそとても太刀打ちできないが、歴史と文化の遺産が数多く残され、総合的に見て決してひけを取るものではないと思う。ホテルへ戻ってきたら午後3時前で、昼食を挟んで歩きっ放しだったので疲れた。流石に疲れたその哀れな歩き方が一目で分かるのか、馬車、ロバ、馬の業者から利用しないかとの呼びかけの声を散々かけられた。今日は万歩計で2万歩を越えていた。

 ペトラ遺跡の素晴らしさはとても口には言い表せない。あまり日本人観光客の姿は見かけなかったが、欧米人がかなり押し寄せているようだ。とにかくこれで私自身世界遺産見学も160箇所になったし、「新世界7不思議」の7箇所もすべて征服した。世界遺産関係の講義を引き受けることが多くなったが、今後はこれに新世界7不思議も取り混ぜて幅広い内容で話せるのではないかと考えている。

 ペトラの地を去って今日の宿泊予定地「死海」へ向かう。相変わらずの炎天下をバスは砂礫の砂漠の中をひた走りに走る。アンマンから死海へ向かう道すがら大峡谷の一方の土手を約900mも下り出す。何でもこの広く深い谷は、南下すればアフリカ大地溝帯につながるという。随分スケールの大きな谷間で途中に珍しい標識が見られた。何と海抜0mとある。これから更にバスは下る。結局海抜-400mの死海に辿り着いた。我々は海面より深い場所に一夜の宿を取ることになった。

 中々立派なリゾートホテルで昨日と同じMOVENPICKである。各部屋が特殊な配列になっていて、ガーデンを横切り、海岸近くに部屋がある。このコテージの部屋のベランダから真正面に死海とその遥か向こうにイスラエルのパレスチナ地区の影を捉えることができる。明日はいよいよ念願のイスラエルに初めて入国する。期待はいやがうえにも高まってくる。

2012年6月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com