1866.2012年6月22日(金) 中国覇権主義の実態

 シリアで市民の凄惨な虐殺が行われている。テロについてシリア政府は反政府軍が仕掛けたものだという。今や国内は内戦による泥沼状態となり、国連監視軍もあまりにも危険で市街をパトロールできない状態だという。そこへ昨日ミグ戦闘機で隣国ヨルダンへ脱出したシリア空軍パイロットまで現れた。シリア軍内にも異変が起きているのかもしれない。国連安保理も、ロシアと中国の反対に遭って効果的な停戦への話し合いもできない有様である。

 その中国の言い分には、シリアへの他国の干渉は内政干渉に当たるという、もっともらしい論理があるが、どう見ても最近の中国政府の自意識過剰な傲慢ぶり、自己本位、露骨な覇権主義は明らかに度を超えていると思う。

 今年は日中国交40周年という記念の年である。だが、国を挙げて賑々しくお祝いするほどのムードではなくなっている。NHKの最近のアンケートでも、中国人の日本に対するイメージが良くないとする人の割合が約60%であるのに対して、日本人の中国に対する印象は80%以上が良くないと回答された。最近になってイメージが悪化している。

 実際に中国を訪れたり、中国人と付き合う人はそれほど多くはないと思うので、そのマイナス・イメージのほとんどはメディアによる影響であろう。しかし、日本人の5人に4人が中国にあまり良い印象を抱いていないことは、国際間の交流が深まっていく中で決して双方にとって幸せなことではない。

 翻ってお前は現今の中国についてどう思うかと問われれば、残念ながら今の中国政府の考えや手法には賛意を示すわけにはいかないというのが、本心である。かつて同じ職場に若い中国人が働いてくれていて、彼らは優秀で人柄も素晴らしく、何度か一緒に中国へ行った。当時現地で接した中国の人々も温かく、親切で清々しい印象を持った。それが今の一般的な中国人のイメージとなると、どこに対しても闘争心剥き出しで、手ごわい自己中心的な国民というイメージがある。大きなお世話かもしれないが、今の一党独裁の政治体制ではいずれ行き詰まり、中国の民主化は遠い夢と考えざるを得ない。広く国民による選挙制度によって選ばれた人たちによる国家の運営を図って行かなけらば、中国の民主化は程遠いし、遠からぬ将来に大きな壁、第二の革命にぶち当たるのではないかと憂慮している。

 日本人が昨今中国に対して抱く良からぬ印象の最大の原因は、領土問題、いわゆる尖閣列島問題である。折も折今朝の日経紙に依れば、南シナ海の領有権を巡る緊張が再び高まってきた。相変わらず覇権主義が満々なのである。中国は西沙諸島と南沙諸島の領有権争いで、前者はフィリピンと、後者はベトナムと自国領土を主張して争っているが、地図をよく観察すれば、どう贔屓目に見ても両諸島は地勢上中国には自国領土と主張する資格がないように思える。これまでも横車を押し続ける中国のやり方に対しては、いずれ周辺諸国からレッドカードが突きつけられるだろう。そうならない内に、冷静にどちらの言い分に理があるか、考えて善隣外交を行った方が、将来的にどれだけ中国にとってプラスかをよくよく考えた方が良いのではないだろうか。

 中国に関するマイナス報道はこれだけに留まらない。今朝の朝日一面にも中国が北朝鮮制裁決議で違反の疑いが明らかになった21件について掲載されている。これまでも国連の調査を拒否して、北朝鮮に対する支援を否認し続けてきたが、国連安保理で批判を受けて近く公表することに同意した。

 どうも今日の中国では、孔子、孟子ら偉大な先人が嘆くような事態が恥ずかしげもなく行われている。これでは国際社会の信頼も損なわれるのは明らかだ。

 さて、今日で東京スカイツリー開業1ヶ月になった。入場者は580万人で、当初予想の2倍だというからこの不景気の時代に大変結構なことである。東京ディズニーランドの1年間の入場者数が24百万人程度だというから、いかに人気があるか想像がつく。久しぶりのホームランではないだろうか。ぜひともあやかりたいものである。

2012年6月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com