1868.2012年6月24日(日) クラシック音楽と美食の一日

 大学ゼミの赤松晋さんが所属している上野浅草オーケストラの今年最初の定期演奏会があり、いつも通り浅草公会堂でゼミ仲間と演奏を楽しんだ。妻はコーラス・グループの合唱祭があるため不参加である。

 まず浅草で驚いたのは、やはり東京スカイツリー人気のおかげであろうか、混雑した地下鉄に始まり、浅草駅構内の混雑ぶり、路上へ出た時圧倒されるような人混み、観光バスの多さ、そしてレストランの満員御礼である。いつもは直ぐ入れる蕎麦屋では、店外でしばらく待たされるほどの千客万来ぶりである。漸く店内に入り相席をした商人風のおじさんに尋ねてみると、最近は毎休日になるとこのような溢れる人出だと話してくれた。日本経済に少しでもおすそ分けしてくれないものかなと願う。

 さて、今日の演奏曲目は、①ロッシーニの歌劇「どろぼうかささぎ」序曲、②ブラームス作曲ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲・イ短調・作品102、③シベリウス作曲「交響曲第2番・ニ長調・作品43」で、①以外は初めて聴く曲だったが、最近シベリウスに若干関心を持っていたので、注意深く聴いたが、中々難解だと感じた。しかし、深みのある曲で、北欧の緑深い自然のバックグラウンドが感じられた。できれば順序として、この交響曲第2番の前にフィンランドの第二国歌とも言われる「フィンランディア」を聴くことができれば、なお良かったかもしれない。

 演奏会終了後、奥さま方を交え総勢16名の食事会。前回と同じ「アリゾナ」レストランで美味な食事をいただく。この席で現在進行中の追悼文集発行作業の途中経過を説明し、秋の飯田会で配布の予定にしていることを了解してもらう。この「アリゾナ」は、文豪・永井荷風が生前愛用していたレストランで、店内にも荷風の写真などが飾られている。店の主人に荷風の「濹東綺譚」復刻本を拝見させてもらう。筆かペンか分からないほど繊細な筆使いで書かれた直筆には、つい唸ってしまう。改めて荷風の天才ぶりに脱帽である。

 それにしても、ゼミの強い仲間意識の絆で今もクラシック音楽に、文学の香りに触れることができることは幸運であると考えている。いつまでもこのほの温かい集まりが続くことを願っている。

2012年6月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com