1883.2012年7月9日(月) アフガニスタン支援は、同国の安定化へつながるか。

 今、ある意味で日本が世界から注目されているのではないだろうか。東アジア諸国の間では、尖閣諸島を野田首相は国が買い上げるとの方針を公にしたからである。当然領有権を主張する中国と台湾が反発している。そんな時に今日竹島問題を煽り立てるかの如く、韓国人が運転するトラックがソウルの日本大使館に正門から飛び込んだ。犯人は竹島問題と従軍慰安婦補償に抗議するつもりだったと確信的に述べた。当然のことながら日本政府は韓国政府に抗議している。

 もっと真剣な問題として注目されているのは、昨日と今日の2日間都内のホテルで開催されている「アフガニスタン支援国際会合」である。パン・ギムン国連事務総長をはじめ、開催国日本の野田佳彦首相、当事者のカルザイ・アフガン大統領、クリントン・米国務長官ほか80カ国と地域の代表が東京に集結して2001年に戦争状態に陥ったアフガンの経済支援を話し合っている。

 アフガニスタンは一向に良くならない治安に、国も疲弊して世界でも最大貧乏国のひとつとなってしまった。タリバンと政府軍との抗争、戦闘が止まず、この危険な状況では国家を安定的に維持することは難しく、海外諸国がアフガンにどれだけ経済援助を行えるかが課題となっていた。今日閉幕に当たり会合参加国や国際機関が、向こう4年間で160億$(約1兆2800億円)の巨額な資金援助をすることが決まった。日本は5年間で30億$を供出する。しかし、一時的に資金援助をしたところで、現在の危機的な政治的、社会的状態が続くようだと、遠からず援助資金は水泡となって消えてしまう。

 現状は、経済的にも教育的にも立ち遅れている国をどうやって助けてやることができるかという点が大きな課題である。例えば、アフガンは平均寿命が44.6歳で世界最下位である。それは5歳以下児童の乳幼児死亡率となると4人に一人で世界最下位であり、このことも大きく影響している。少子高齢化で、平均寿命では世界のトップクラスの日本人にはとても想像できない。その背景にある15歳以上成人の識字率が高々26.2%という低い教育水準も無視できない。

 この会合は日本政府とアフガン政府の共催だったが、次回は2年後にイギリスとアフガン共催となる。いつまで世界が援助合戦を続けていかなければならないのだろうか。

2012年7月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com