1885.2012年7月11日(水) 東京電力の悪質な隠蔽体質

 先日発表された東京電力福島第一原発事故に対する国会事故調査委員会の事故報告書が、「自然災害」というより明らかに「人災」であると厳しく糾弾したことは周知の通りである。その前に民間事故調査委員会報告書、そして東電の事故報告書が公表されたが、その中で一番厳しい見方をしている。

 実は昨日のテレビ各社の見方は、この報告書も取り上げた「津波による全電源喪失」に疑いを抱いていた。この報告書が発表されてから、昨日東電は44枚の写真のうち未公開の33枚を公開した。これまで3月11日午後3時35分に津波に襲われ、全電源が喪失したと報告されていたが、写真では3時35分には津波はまだ約1.5kmの沖合いにあり、その時刻に全電源が喪失していたとするなら、それは津波以前に地震によってもろくも電源が壊されたということになる。つまり全電源は津波によるものではなく、地震によって破壊され機能不全になったということが明らかにされた。この事実を東電はこれまでひたすら隠蔽していたことになる。それで、国から公的支援を受け、電力料金を値上げしようと企んでいる。とんでもない親方日の丸会社である。

 尤も東電の利用者軽視の姿勢は、監督官庁である経済産業省の姿勢が反映されたに過ぎない。経産省の傘下にある原子力専門家の集団であるべき原子力安全委員会のスタッフより、東電社員の方が原子力について詳しいと国会で勝俣前東電会長が堂々と公言するくらい、経産省も東電の虜になってしまっている現状は、経産省と東電がずぶずぶの癒着関係にあると言わざるを得ない。

 こんな状態では、原子力の安全対策なんてあまり期待できそうもない。

 さて、6日に生まれた上野動物園のジャイアント・パンダの赤ちゃんが死んだ。多くの人たちからその誕生を祝福されていたが、儚い1週間足らずの命だった。東京スカイツリーと並んで、不景気風をふっ飛ばしてくれるものと期待されていたのに、ちょっと残念である。

2012年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com