1889.2012年7月15日(日) パリからニューヨークへ鉄道旅行は可能か。

 この数日熊本、大分両県を中心に九州地方を襲った豪雨が、更に北上して福岡県に大雨を降らせている。すでにこの集中豪雨で20名を超える犠牲者が出ている。大きな河川も堤防が決壊して田畑に豪雨が流れ込み、悲惨な状態である。恐らく農業に相当な被害が出ているのではないだろうか。

 わが家では、新潟の二男家族が昨日1歳半の子どもを連れて東京ディズニーランドへ遊びに出かけ、妻をTDLへ呼んで合流しそのまま自宅へやってきた。早速夕食のおねだりをされ息子の大学ラグビー部時代の先輩が、横浜市都筑区内でオーナーをやっているイタリアン・レストランへ出かける。自宅を出る前に別のイタリアン・レストランのメニューちらしを見て「サンドウィッチ・BLT」とある。このBLTとは一体何なのか見当もつかない。ところが、妻も息子も「B」はベーコン、「L」はレタス、「T」はトマトと平然と応える。何と言っていいか分からないが、最近の過剰な略語造語ブームにはお手上げである。

 尤もあの堅いNHKですら、朝から生放送で「あさイチ」だとか、「おはスポ」なんて堂々と造語的略語を使って当たり前のような顔をしているのだから、知らない方が悪いのかもしれないと思ってしまう。息子たちは今日午前中も妻にせびって「トイザラス」へ買い物に連れ出してから新潟へ帰って行った。

 このアメリカのオモチャメーカー「トイザラス」の意味をアメリカ人で知っている人があまりいないから面白い。いつかアメリカの小学校で、先生に尋ねてみたがご存知なかった。私が‘Toys are us.’(オモチャは私たちのもの)を詰めたのではないかと言ったら、「そうかも知れない。きっとあなたの言うとおりだと思う」と言ってくれた。一度日本のトイザラスで聞いてみたいものだ。

 さて、今朝の朝日新聞のトップはシベリア鉄道に関する記事だ。11年前にシベリア鉄道で大陸を横断した時は、あまり頼りがいがない気がしたものだが、現在ではかなりハード面が整備され、貨物列車の物流が大幅に向上したようだ。特に車の輸送に大きな力を発揮している。船の3倍以上のスピードで目的地へは輸送できる。コスト的にもかなり経済的である。ヨーロッパから極東へ、またその逆コースで近年では自動車産業なぞは、船舶よりシベリア鉄道を優先的に使うようだ。

 シベリア鉄道の潜在能力が急速に評価されるようになったおかげか、長距離輸送手段として長距離列車が脚光を浴びるようになった。そのため他の長距離鉄道も新たに開発が検討されるようになった。驚いたことにベーリング海峡に海底トンネル工事が考えられている。世界一の海底トンネルである青函トンネル(54km)より遥かに長い86kmの距離である。それ以外にも厳しい冬季の寒さ対策は大丈夫だろうか。

 鉄道技術の進歩は目覚しいものがあり、やればできるかもしれない。朝日にも書かれていたが、実現すればパリからニューヨークへ陸路を旅することが可能となる。夢は大きく膨らむ。問題はざっと4兆8千億~5兆6千億円と算定される巨額投資額である。あるNGOの代表が語る「シカゴから北京まで鉄道で結ぶと、距離は船の航海ルートの約半分」の言葉が背中を押してくれるだろうか。

 夢としては壮大で、実現すれば大きな経済効果をもたらすだろう。期待をしつつ明るい結論を待ちたいと思う。

2012年7月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com