ロンドン・オリンピックは時差の関係もあり、日本時間の夜間に行われる競技が多い。従って喜怒哀楽も朝になってからのことが多くなる。今朝は、サッカー男子チームがエジプトを3-0で圧倒してベスト4に駒を進めた。昨日女子チームが同じくベスト4に進出したばかりである。更に、失格騒ぎがあったばかりのバドミントンで女子ダブルスが決勝で中国ペアに敗れたが、堂々銀メダルを獲得した。加えて水泳競技最後の種目、男女の400mメドレーリレーで男子が銀、女子が銅メダルを獲った。レース後の選手たちのインタビューに対する話が中々良い。男子メドレーで銀メダルを獲得したチームの3人の選手は、北島選手を手ぶらで日本に帰させるわけには行かないと誓い合ったと泣かせる話をしていた。
男子柔道以外は良く健闘しているとの印象を受ける。まだ、期待のレスリングが残っているので、残りの競技の中から金メダルを期待したい。
さて、先月中旬から続けられていた国のエネルギー政策の意見聴取会が終わった。昨日まで札幌から沖縄まで全国11箇所で開かれていたが、2030年までに原発ゼロを求める意見が全体の約7割を占めた。この結果は原発賛同者や経産省にとって相当なプレッシャーになると思う。問題は、こういう国民の意見を聞いて、政府にそれを政策に採用する気が本当にあるのかどうか疑わしいことだ。大飯原発再稼動容認の動きを見ていると、俄かには信じがたい。
大体7割という比率は、ほとんど全員に近い人たちが原発をなくそうと考えているということである。一方で、経済界からは代替エネルギーがない段階で、脱原発は経済力を低下させることにつながるとして強い警戒感がある。
そもそも2030年までの原発設置の割合を「0%」「15%」「20~25%」の3つのカテゴリーに分けた根拠が明確ではない。こういう数値を突然示されると、対置数値が100%をイメージさせる。従って、100%から0%、或いは100%から20~25%に減少するような錯覚を与えて、仮に25%であったとしても随分原発力を低下させるような気にさせる。これがどうも曲者だ。現状の原発割合30%台から、0%、或いは25%に減少させるのだという説明をしっかりしなければいけないと思う。どうもその辺も政府の意図が、どんな形であれ、脱原発のムードの下に影響を大きく受けないような知恵を凝らしているように思えてならない。
ポーズだけでなく、この試みの結果である脱原発のムードを無為にしないよう注視する必要がある。