1912.2012年8月7日(火) 信用できない「朝令暮改」的政治家の行動

 ロンドン・オリンピックで日本のメダル・ラッシュが騒がれ、日本中が浮かれ調子である。獲得した金メダルは僅か2個だが、いつになく「銀」と「銅」メダルが多い。そのせいで新聞紙面は明るい話題が満載である。

 だが、それは良いとして、お寒いのは日本の政治と福島原発事故不明の実態である。消費増税関連法案の参議院採決を巡り、すでに民主、自民、公明3党間で合意していたにも拘わらず、自民党が民主党に対して法案採決前に衆議院解散の確約を求めている。自民党は野田首相が確約しなければ衆議院で内閣不信任案を、参議院で首相問責決議案の提出を考えているというから、自民党は何を考えて3党合意とは反する方向へ突っ走りだしたのか。公明党は、自民に同調せず、3党合意を遵守しようとしている。

 自民党としては確かに今衆議院解散をすれば、間違いなく第1党を取れるだろう。すると駄々をこねている谷垣禎一総裁は次の総理大臣に指名されることになる。まさか、自分が首相になりたいために、ここへ来て3党合意に背を向け、国会を引っ掻き回して消費増税の参議院通過を阻止しようとしているわけでもあるまい。しかし、谷垣総裁の駄々っ子ぶりは尋常ではない。まるで子どもである。完全に国家、国民のことを忘れている。万が一消費増税が参議院を通過しなかったら、ほんの数ヶ月前にすったもんだの末に衆議院で法案成立を図ったパフォーマンスは、一体何だったのかと問いたい。

 ところが、衆議院自民、公明党以外の野党、とりわけ民主党を離脱したばかりの「国民の生活が第一」ら6党が、今日まとまって内閣不信任案を提出した。参議院では首相の問責決議案も提出した。まったく「国民の生活が第一」なんて絵空事である。国会議員とは何もしないが、国民の利に反することを堂々と行う単なる暇人ではないか。こんな政治家には給与や便宜供与を提供する必要なんてまったくない。

 さて、東京電力は福島第一原発事故発生直後の、東京電力本店と第一原発現場間のテレビ会議の模様を公開した。しかし、録画された150時間のうち、公開されたのはほんの90分間である。昨日その模様が断片的にテレビで公開された。中々生々しい。本店に座っているお歴々と緊急の事故処理の対応に追われる現場の切羽詰ったやり取りが、臨場感を盛り上げている。評判を落とした菅前首相の姿も散見される。

 しかし、時間的にもボリュームは少ないし、肝心な場面では音声は消され、個人が特定されそうな顔はボカされていて、これで世間へ公開していると本気で思っているのだろうか、疑問である。非公開のままで保管したかったビデオを嫌々公開したので、どうしても内容は後ろ向きである。これではどの程度今後の事故防止に役立つのか疑わしい。

 あの修羅場の事故現場の様子を観ていると気の毒になるが、この状況は緊迫度や切実感は大分緩和されてきたとは言え、現状はとても収束というようなものではない。それなのに、事故は終息したと昨年12月世間へ向けて野田首相が宣言したのは、あまりにも意図的である。今話題の国民の意見聴取会の結果、70%の国民が「2030年に原発0%」を望んでいる現実にどう対処しようというのか。

2012年8月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com