昨日ロンドン・オリンピック最終日にボクシングで東京以来48年ぶり、男子レスリングでソウル以来24年ぶりに金メダルを獲得して有終の美を飾り、17日間開催されていたオリンピックが閉幕した。48年ぶりにボクシング・ミドル級のゴールドメダリストになった村田諒太選手の言葉が良い。「夢ではなく、目標だった。金メダルが僕の人生の価値じゃない。これからの人生が僕の価値。恥じないように生きていこうと思う」。
日本が獲得したメダル数は合計で最多の38個だった。金メダルは目標のアテネ大会16個を上回る数を期待していたが、残念ながら半分以下の7個だった。
しかし、金メダルの獲得数に関わらず、全般的に日本選手はよく戦ったと思う。何より水泳選手が精一杯やってくれ、感動を与えてくれた。男女のサッカー、女子バレー、レスリング、女子柔道などは感動を呼び、日本中を熱狂させた。4年後は南米のリオで開催されるが、その後の2020年の大会は、東京で開催されることになるのだろうか。今回は時間的にずれていたので、あまり観戦することはなかったが、やはり世界スポーツ界のトップレベルの争いは熾烈で面白い。
残念だったのは、サッカー男子の3位決定戦で日本がライバル韓国に敗れ、喜んだ韓国選手のひとりがグラウンドで「竹島は韓国領」と書いたプラカードを掲げて、政治的、宗教的な示威行為を禁止しているオリンピック憲章に反するとして、同選手の表彰式への参加を拒否され、メダルの授与も保留される事態となった。16日以降に審査のうえの最終結論が出される。ロンドン市内で一般人に聞いてみると韓国人を除き、政治的な主張は許されないというコメントが多かった。
悲喜こもごもあったオリンピックだったが、云えることは開会式にせよ、閉会式にせよオリンピックも回を重ねるごとに、派手さと華やかさを加えている。その一方で、かつてのお行儀の良さは蔭を潜めたようだ。それにポップスやロックなんかを演奏しているシーンを見せられると、そろそろ付いていけなくなったきたなという感じもする。
全般的にロンドン大会は成功したと受け取られているようだ。一向に前進せず、自分たちの利益勘定だけで行動する政治家たちに比べて、やはりスポーツの祭典は素晴らしい。